ヤマタネは、東京都江東区に所有する約3万㎡(約9000坪)の土地の再開発に向け、「越中島開発グランドビジョン」を明らかにした。まち、人、食文化と農業という三つのゾーニングを設定。都心至近の希少な大規模土地で、水辺に囲まれた良好な景観を有しているなど、極めて高い不動産開発のポテンシャルの活用を目指す。2026年3月までに開発事業を進めるパートナー事業者を選定する。
計画地(越中島1-1-1)は、江戸時代初期の1650年代に埋め立て地として造成。御家人屋敷や町人地を経て、明治期以降は陸軍練兵場や糧秣本廠(りょうまつほんしょう)として利用されてきた。1956年に当地で操業していた倉庫会社とヤマタネが合併して以降、ヤマタネの事業の中心として活用されてきた。
開発コンセプトとして、内外のひとやモノの交流点、水辺と緑に囲まれた上質な住環境や災害に強い防災拠点、食文化や農業の「みらい」に触れる機会の提供を掲げた。
用途地域は準工業地域で、建ぺい率60%、容積率300%。ヤマタネビル(89年完成、延べ1万2930㎡)、ヤマタネビル本館(2012年完成、延べ1万2208㎡)、深川営業所(1981年完成、総延べ6万0255㎡)などがある。
容積率について、再開発促進区、高度利用地区、特定街区、総合設計といった都市開発諸制度を活用し、500%を超える容積緩和を目指す。
今後のスケジュールは、26、27年に基本計画、28、29年度に基本設計、29、30年度に実施設計、31年度に許認可取得を想定。30年度から既存施設の解体工事、31年度から新築工事を順次実施していく。倉庫事業は29-31年度に新設・移転する。まちづくり協議会の設置や道路・インフラ整備も計画している。
ケネディクスがヤマタネグループ全体のCRE(企業不動産)戦略を踏まえた開発計画策定の支援、日本総合研究所がグランドビジョン策定・行政協議・地域連携の支援、日建設計が都市計画や建築関連の技術的支援を実施している。