【東京五輪2020】工事順調! 海の森水上競技場、有明アリーナ | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

公式ブログ

【東京五輪2020】工事順調! 海の森水上競技場、有明アリーナ

海の森水上競技場工事の締切堤(左端)と水門(右端)

 2020年に向け、東京都による東京五輪会場施設の整備が順調に進んでいる。都オリンピック・パラリンピック準備局は都の施設のうち、▽海の森水上競技場▽有明アリーナ▽オリンピックアクアティクスセンター▽カヌー・スラローム会場--の4現場を報道陣に公開した。テストイベントに間に合わせるため、19年中の完成を目指す。都の担当者は「工事は順調に進んでいる。五輪に向け、都民の期待に応えたい」と話す。

海の森水上競技場 水門、締切堤で水位を制御

 中央防波堤内側・外側の間の水路に整備する「海の森水上競技場」は、ボートとカヌー(スプリント)の会場となる。
 競技コースは2000m8コースとなり、建築工事としてグランドスタンド棟(約2000人)、フィニッシュタワー、艇庫棟などの恒設施設のほか、仮設の一般観客席を整備する。
 土木工事として東西両側に水門と約200mの締切堤を整備し、「外洋の波や潮位の変動が競技に影響しないように、水位を一定にコントロールする」(大会施設部の村岡洋次郎施設整備担当課長)ことができる。大会期間中にコーチが自転車で並走したり、テレビの走行レーンとして活用する走行路を競技コースに沿う形で整備する。

17年12月時点の大会時イメージ図 (資料提供:東京都)

 現在は建築基礎工事や締切堤工事などが進んでいる。19年3月の完成に向け、約200人の作業員が働く。工事の進捗率は20%。五輪後は、水上競技大会の会場として、国際大会・国内大会を年間30大会目標に誘致・開催するほか、水上スポーツ体験や水上レジャーの機会提供など都民参加イベントも実施する。
 隣接する「海の森公園(仮称)」と連携して新たなにぎわいを創出し、競技利用約31万人、一般利用約4万人の年間来場者合計35万人を目指す。

◆事業概要
▽計画地=中央防波堤
▽座席数=約2万4000席(うち関係者約2000席)、〈大会後〉約2000席
▽主要施設=締切堤、水門施設、揚排水施設、グランドスタンド棟、艇庫棟など
▽基本設計=パシフィックコンサルタンツ
▽設計施工=大成建設・東洋建設・水ing・日立造船異業種特定JV
▽実施競技=〈オリンピック・パラリンピック〉ボート、カヌー(スプリント)

有明アリーナ 万全のセキュリティー体制

地中工事はほぼ終了した

 「有明アリーナ」は、1万5000席のメインアリーナと、観客席のないサブアリーナで構成する。
 地中工事がほぼ終わり今後は地上部工事へと移る。19年12月の完成に向け、工事の進捗率は10-15%。約160人の作業員が働いている。
 工事は、「既成市街地の中のため近隣に配慮して進める」(大会施設部の飯塚佳文施設整備担当課長)ほか、五輪施設のためセキュリティー体制にも万全を期すという。「ロンドン五輪を参考に部外者だけではなく、作業員に対しても確認を入念にするなどセキュリティー対策を強めにかけている」(同)。

15年10月時点の大会時イメージ図 (資料提供:東京都)

 五輪後は、メインアリーナでのバスケットボールやバレーボールなど国内外の大規模大会を年間10大会開催する目標のほか、コンサートや文化イベントも誘致する。年間来場者目標は、メインアリーナ約102万人、都民利用や小規模大会として活用するサブアリーナ約17万人、その他(ジム、レストラン・カフェ)約21万人の合計140万人とした。隣接する有明親水海浜公園(仮称)と連携して、健康づくりやにぎわいの創出の空間を提供する。
 都はPFI法に基づく運営を予定しているため、5月から11月まで運営権者の選定手続きを進める計画だ。

◆事業概要
▽計画地=江東区有明1-11
▽規模=RC造一部S・SRC造5階建て延べ約4万7200㎡
▽座席数=約1万5000席
▽基本設計=久米設計
▽設計施工=竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業異業種特定JV
▽実施競技=〈オリンピック〉バレーボール、〈パラリンピック〉車いすバスケットボール

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら