【復興特別版】"育てる復興"へ 石巻市の祈念公園、岩沼市の海岸で植樹 | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【復興特別版】“育てる復興”へ 石巻市の祈念公園、岩沼市の海岸で植樹

石巻南浜津波復興祈念公園で、「復興の森づくり」

 東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市に整備される石巻南浜津波復興祈念公園で、「復興の森づくり」の取り組みが始まった。約20万本の苗木を植樹し、森を育てる。23日には1回目の植樹祭があり、市民ら約450人が2500本の苗木を植えた。
 この取り組みは、同公園参加型維持管理運営協議会が主催するもので、公園内に市民やボランティアで木々を植え、次世代につなぐ復興の森をつくる活動だ。2020年度の公園概成までに約10万本、その後も7年かけて約10万本の計20万本を植樹する予定だ。
 植樹祭では、同協議会の古藤野靖会長が「犠牲者を鎮魂・追悼するとともに、震災の記憶を風化させないよう、みんなの手で協働して復興の森をつくっていきたい」とあいさつした。
 亀山紘石巻市長は「多くの人々の手によってつくられる森は、復興の象徴となる。皆さんの力添えをいただきながら進めていきたい」と語り、武藤徹東北地方整備局東北国営公園事務所長も「岩手、福島両県にも整備される復興祈念公園とネットワークをつくり、力強い復興を国内外に伝えていくことが大切だ。単なるインフラとしての公園ではなく、長い時間をかけて育てていく公園にしたい」と述べた。
 この後、参加者はハンノキやヤナギ、クロマツ、コナラなど、約30種類の苗木の植樹に汗を流した。

■250人が岩沼市内の海岸でクロマツ植樹 宮城建協が「3Aの防災林」づくり

宮城県建設業協会の「みんなでつくる3Aの防災林」植樹式

 宮城県建設業協会(千葉嘉春会長)は24日、岩沼市内の海岸で「みんなでつくる3A(あんぜんに、あかるく、あたたかい)の防災林」植樹式を開いた。会員企業の社員とその家族ら約250人が、防災林の再生を願ってクロマツの苗木を植えた。
 同協会と県知事、岩沼市長の3者が2016年9月に締結した「海岸防災林の再生に向けた活動協定」に基づき昨年に続いて実施した。
 冒頭、あいさつに立った千葉会長は「当協会は地域の安全・安心で快適な暮らしを支える“町医者”として活動を展開しており、CSR活動の一環として植樹する。人々の安全を守り、明るい希望と温かくぬくもりのある防災林になるよう将来にわたって携わっていきたい」と話した。
 この後、東日本大震災で被災し、基盤造成が行われた海岸背後地約0.3haに、抵抗性クロマツの苗木1500本を植樹した。

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