【復興特別版】阿武隈東道路が開通! 通行止め解消し安全・安心確保と産業活性化へ | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【復興特別版】阿武隈東道路が開通! 通行止め解消し安全・安心確保と産業活性化へ

相馬野馬追の騎馬武者を先頭に行われたパレード

 東北地方整備局が整備を進めてきた東北中央自動車道「阿武隈東道路」(10.5㎞)が26日、待望の開通を迎えた。東日本大震災からの復興リーディングプロジェクトとして、復興支援道路に位置付けられている相馬福島道路で初の開通区間となった。地域の安全・安心の確保や交流人口の拡大、復興まちづくりをけん引する阿武隈東道路の開通を約350人の出席者が盛大に祝った。 常磐自動車道と東北縦貫自動車を結ぶ約45㎞の相馬福島道路は、震災で甚大な被害を受けた福島県の浜通り地域と中通り地域をつなぐ重要な路線だ。
 開通した阿武隈東道路は、相馬市上山の相馬上山インターチェンジ(IC)から同市東玉野の相馬玉野ICに至る10.5㎞の自動車専用道路。現道の国道115号は急カーブ・急勾配が連続する難所として知られ、阿武隈東道路の開通は地域の悲願だった。
 2004年度に直轄権限代行として事業化され、06年度に着工した。主な構造物には楢這トンネル(長さ1492m)、松ヶ房トンネル(同1319m)、荻平トンネル(同1023m)などがある。総事業費は約370億円。 
 今回の開通により、救急医療施設への速達性や搬送中の安定性が向上するほか、頻発していた通行止めのリスクが回避できるなど、地域の安全・安心確保への寄与が期待される。
 重要港湾・相馬港の周辺企業にとっては流通・営業エリアが拡大し、地域産業の活性化や雇用拡大といった効果が見込まれる。また、福島県内で初めて高速道路ナンバリング標識「E13」が設置された。

テープカットとくす玉開披

 相馬玉野IC付近で開かれた開通式には、石井啓一国土交通相や内堀雅雄福島県知事、立谷秀清相馬市長、今村雅弘復興相、佐藤信秋参院議員らが出席。冒頭、石井国交相は「阿武隈東道路は今後の復興まちづくりを支援する道路として、当地域の早期復興に大きく貢献すると期待している。国交省では、復興道路・復興支援道路の20年度までの全線開通を目指していく」と述べた。
 内堀知事は「イノベーションコースト構想が具現化される浜通りと、医療関連産業の集積が進む中通りを結び付け、県全体の復興を力強くけん引することに期待したい」と語り、立谷市長も「開通を契機に復興と地域創生に全力で取り組んでいきたい」と強調した。
 また、今村復興相は「福島の復旧・復興・再生は国政の最大課題であり、立体的かつ着実に進めていく。阿武隈東道路の開通は地域の未来を開く第1歩であり、1日も早く全線開通に向けて取り組みたい」と祝辞を寄せた。
 この後、関係者によるテープカットやくす玉開披、パレードなどが行われた。

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