【三機工業】動画から3Dモデリング、認識部材数が最大5倍 | 建設通信新聞Digital

7月15日 火曜日

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【三機工業】動画から3Dモデリング、認識部材数が最大5倍

 三機工業は、グループ会社のキャド・ケンドロ(仙台市)と共同で、3Dスキャン技術と小型ドローンを組み合わせて動画データから3Dモデリングを行う技術を確立した。設備のリニューアル工事に当たり、配管やダクトが輻輳(ふくそう)する天井裏、機械室などの3Dスキャンに有効で、従来手法に比べて建築部材の認識数が最大で約5倍向上した。

3Dスキャナとドローンによるモデル合成(同社施設での実施例)


 設備のリニューアル工事で図面が存在しない現場への対応が課題となっており、その対応策として近年、レーザースキャナーによる3Dモデリングで既存設備をデジタル化する手法が活用されているが、天井裏や機械室ではレーザーが届きにくいことから3Dモデル化が難しく、一部に修正を加えて3Dモデルを作成していた。

 こうした中、キャド・ケンドロが持つ豊富な3Dスキャン技術と、狭小・閉鎖空間でのインフラ点検実績を持つLiberaware(リベラウエア)製の小型ドローンを組み合わせることで、精度の高い3Dモデルを効率的に作成する手法の実用化に成功した。

 精度の高い3Dモデルを作成するための飛行方法、動画撮影条件、撮影した動画からの点群データ化やBIMデータ化など一連のデータ処理方法を確立した。

データ処理の流れ


 従来手法に比べ、機械室など天井のない空間で認識できた建築部材数が約2.3倍、一部天井が解体された天井裏空間では約5倍向上したとしている。足場を使った高所での測定作業が不要になり、現場の安全性も大幅に向上する。

 リニューアル市場の拡大を踏まえ、AI(人工知能)制御による小型ドローンの自動飛行を視野に入れながら、キャド・ケンドロと連携してこの技術を展開していく。

 

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