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【伊東豊雄】災害被災地から見えた「曖昧な境界」に活路を UIAゴールドメダル受賞の先に

最終更新 | 2017/10/04 15:37

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 9月に韓国・ソウルで開かれた国際建築家連合(UIA)のUIA世界大会で伊東豊雄氏にUIAゴールドメダルが授与された。人類や社会、建築の振興に貢献した優れた建築家に贈られる賞で1984年の創設以来、伊東氏を含め12人が受賞、日本人建築家では3人目となる。「受賞理由は聞かされていないのでまったく分からない」と笑いつつ、「モダニズム以前の、われわれの身体感覚、DNAの中に眠っていたものをもう一度呼び覚まして、それを新しい形で未来に向かって発信していく。そういう建築はどうやってできるのか。それがいま一番興味のあること」と語る伊東氏に今後の活動について聞いた。 自然と人間を境界で切り分けるような近代主義的思想の「矛盾や限界がはっきり見えてきた」と強く感じている。一方で「日本的というと表層だけを繕っているものが多いように思う」とも指摘する。「もっとその奥に眠っているような、潜在している日本的なるものを探っていくとアジアに通じるものになっていく。そこが一番大事なこと」だと強調。「それをアジアから西欧世界に向けて発信できるかどうかが勝負ではないか」との見方を示す。
 イメージするのは「自然と建築が一体化した生活が展開されてきたモンスーン地帯のアジア」であり、そこで「われわれ自身の生活のあり方、ライフスタイルをもう一度探し求める」必要があるという。こうした思いは「頻発する自然災害の被災地」に行ってより鮮明になった。「われわれが求めていた、あるいは忘れていたアジア独特の自然観、生活感が逆にそこから見えてきた」という。
 特に東北の三陸地方などで「自然と一体となった暮らし」を知るにつれて「それを生かした復興もある」との思いを深めたが、住民の意向や暮らしのあり方に関わらず、どの被災地も「同じような巨大な防潮堤を造り、市街地をかさ上げして山を削って高台移転を進めていく」という国の方針に基づく復興計画に「近代主義がどういうものかがあからさまに見えた」と憤りを隠さない。
 それは高層化の進展によって「土地の歴史や地域性も失われていく」都市にあっても同根の問題であり、社会の至るところで近代主義の「壁」にぶつかることになる。「その壁を一番感じるのは相手の顔が見えないということ。誰が決めているのかその顔も見えないままに強烈に跳ね返されてしまう。そこが一番しんどいなと思う」とも。

9月6日の授与式(提供:UIA)、「ソウル・オブ・アーキテクチャー」と題した受賞記念講演会も7日に開かれた

 他方、「いまのグローバル化された都市での生活に満たされない若い人たちがかなり増えていることは確か。そういう人たちが例えば大三島(愛媛県今治市)のようなところに来て、もう少し別の価値観を持って暮らし始めるといまの経済万能の資本主義社会も少しは変わってくる。その予兆は見えています」という。
 大都市と地方といった単純な対立状況に陥ることなく、両者の存在を認めた上でその「境界を曖昧(あいまい)にしていく」ことに活路を見いだす。
 「一緒に考え、一緒につくる」設計思想を貫いた震災被災地での『みんなの家』も、つくる者と利用者、管理者がそれぞれの境界を越えて実現したものだ。
 「建築家個人のオリジナリティーやアイデンティティーからではなく、実際に使う住民たちと話し合い、常にそれを案に置き換えていくことを繰り返していく。住民にとっても自分もつくっていく1人なのだと思うようになればもっともっと面白いことがあり得る」のであり、「設計の方法もコンペティションという近代主義的なシステムにしてもいろいろなことが変わらなくてはいけない時期に来ていることは断片的には見えている」と手応えも感じている。
 若い世代の建築家たちには「近代の先にあるものを探し求めることを徹底的にやってほしい。意識的に大きな構えで考えてほしい」と呼び掛ける。さらに「そういう思想を共有する建築家が増えることで社会も変わっていく」と期待を寄せる。
 自身がいまイメージしている「近代以降の建築」という意味では『みんなの森ぎふメディアコスモス』で「ようやく自然との関係を若干前に進めることができた」という。
 内と外を境界で隔てるのではなく、相互に貫入し柔らかくつながるような建築を新しい技術で実現していく。「自然に開かれた、モダニズムとは若干ずれた建築を切り開いていく。そこをもう少し頑張ってみたい」

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