星野リゾートは2026年4月27日、奈良市で重要文化財「旧奈良監獄」を活用した博物館「奈良監獄ミュージアム」をオープンする。明治期に整備された建造物の保存を担うとともに、建築美や歴史的価値を継承する施設を目指す。同年内に同一建物内でラグジュアリーホテル「星のや奈良監獄」も開業する予定で、観光事業の収益性を生かして持続可能な文化財保護に努める。
25日に大阪市内で開いた会見で明らかにした。星野佳路代表は、事業について「重要文化財を観光資源として活用し、その収益で保護を行っていくことで地域社会、ひいては日本社会の豊かさを増していきたい」と話した。
旧奈良監獄は1908年に完成した。改修後の規模は、レンガ一部木造2階建て延べ約1万2000㎡で、ホテルの客室数は48室。ミュージアムが占めるのは約2500㎡で、当時の状態を保存展示するエリアや、被収容者の視点を体感できる空間などを設けるほか、カフェと物販施設を併設する。所在地は奈良市般若寺町18。
耐震対策工事設計監理(総括)は安井建築設計事務所、同(耐震補強)は飯島建築事務所、ランドスケープデザインはオンサイト計画設計事務所、施工は戸田建設、内装と展示工事の設計施工は乃村工藝社が担当した。ホテル部の設計は東環境・建築研究所が担当。施工者は非公表。
会見ではこのほか、奈良県明日香村に「星のや飛鳥」を整備することを発表した。低層の分棟型客室とし、客室数は35室、総延べ面積は約5500㎡を想定。ランドスケープデザインはオンサイト計画設計事務所、計画策定は東環境・建築研究所が担当し、27年の開業を目指す。建設地は明日香村真弓979-1。
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