伊藤組土建は24日から26日にかけて、伊藤忠エネクスが取り扱う次世代バイオ燃料「リニューアブルディーゼル」を道内建設業で初めて試行的に現場使用した。試行を通じて脱炭素に向けた成果や課題を整理し、さらなるCO2排出量削減と環境負荷を軽減する技術導入・展開を図っていく。
リニューアブルディーゼルは、廃食油や廃動植物油などの廃資源を原料として精製したカーボンニュートラル(CN)燃料。伊藤忠エネクスによると、価格は一般的な軽油に比べて3―4倍高価であるものの、燃焼時のCO2排出量は実質ゼロとされており、今後の建設現場の脱炭素化を大きく進める可能性がある。
ドロップイン燃料のため、特殊なインフラやエンジン改造などが不要で、軽油からを切り替えるだけで使える。酸化安定性にも優れ、長期保管にも適しているという。
既に関東(東京23区、千葉、埼玉、神奈川県)、関西、九州などで販売実績があり、展開エリアの拡張を進めている。
工事現場のCNに積極的に取り組んでいる伊藤組土建は、岩見沢市の「石狩川改修工事の内北村遊水地西工区周囲堤外工事」(北海道開発局札幌開発建設部岩見沢河川事務所管轄)、長沼町の「道央圏連絡道路長沼町山加山南1号線改良工事」(同札幌道路管理事務所管轄)の2現場で、バックホーと発電機の軽油代替燃料として、リニューアブルディーゼルを使用した。
リニューアブルディーゼル給油量は、北村遊水地西工区周囲堤外工事のバックホーが180リットル、山加山南1号線改良工事の発電機が360リットルの計540リットル。
2025年度は、二つの現場を対象にCO2排出量の集計方法などを改善しながら、取り組みを進めていく方針だ。
また、化石燃料に代わる燃料と対応できる重機械の開発がまだまだ先と考えられるとし、使用電気の省エネルギー対策や、ハイブリッド重機の使用を奨励するなどの対応を進めていく。
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