【技術裏表】10万時間の超長寿命化実現 KKテクノロジーズのLED電球 | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【技術裏表】10万時間の超長寿命化実現 KKテクノロジーズのLED電球


 KKテクノロジーズ(東京都小金井市、加賀谷史央社長)は、設計寿命を10万時間まで拡大した超長寿命電解コンデンサレスLED電球『タフらいと』の販売を本格化している。高温になるほど寿命が短くなる電解コンデンサを不要にした独自技術を採用し、設計寿命を一般的なLED電球の4万時間から倍増させたのが評価を得ている。超長寿命に加え、演色性を高めたシリーズも展開している。現在はマンションリフォーム時の導入が中心だが、オフィスや商業施設、公共施設への展開も視野に入れている。
 一般的にLED電球を構成する部材の多くは4万時間以上の寿命を持っている。その中で電解コンデンサに関しては、周囲の温度で寿命が決まるため、LED電球は電解コンデンサの寿命規定と電球の冷却のバランスを考慮し、4万時間程度に寿命が設計されているのが実情だ。そのためLEDの長寿命化は電解コンデンサが“弱点”となっていた。
 この課題を克服するため同社では電解コンデンサに代替する独自の電源を開発し、LED電球に搭載。設計寿命10万時間を実現した。1日12時間の使用で23年間継続利用できる計算で、10年保証も行っている。

 伝統建築との親和性が高いタフらいと
「灯-ともしび-」         


 長寿命化だけではなく演色性など用途に応じた電球をシリーズ展開している。なかでも注目されるのが演色性を高めた超高演色LED電球「灯-ともしび-」だ。“火の色電球”をコンセプトに人類が長く親しんできた炎の光をLEDで再現したもので、寺社など木造建築や古美術の照明として使用する際は、従来の電球では得られない木などの自然な風合いを表現する。
 さらに、高機能な業務用高演色LEDをしのぐ発色性能を備える電球として「彩-いろでり-」がある。演色評価値を比較すると、次世代LEDとして注目される「紫色LED」をしのぐ演色性を備え、食品などを従来以上に美しく見せることができ、飲食店などで採用が増えている。
 加賀谷社長は大手電機メーカー在籍時に電解コンデンサレスLED電球を発案し、技術開発を担当する同僚と2014年に起業してこれらのアイデアを実現した。「自分で商品を育てたいという思いから独立した。電解コンデンサレスのLEDが普及することで、電球によるごみの発生を抑えることができる。“半永久的”LED電球の開発を進めたい」と語る。
 今後は「新築建物にも展開する」(加賀谷社長)ことで建物の長寿命化やライフサイクルコストの低減に貢献する考えだ。