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【オーサカ建築〈戦後編〉】最先端を走る60年前の高層住宅・西長堀アパート

最終更新 | 2017/11/08 15:51

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西長堀アパート

 江戸時代の町家から最先端の超高層ビルまで、多様な建築がひしめき合うまち、大阪。一方で「大阪の建築」というカテゴリーで評価されることは少ない。豊かな建築文化をアピールするため、在阪建築団体である大阪府建築士事務所協会、日本建築家協会近畿支部、大阪府建築士会、日本建築協会のトップに「全国に誇るオーサカ建築」を推薦していただいた。今回は戦後に建てられた物件にターゲットを絞り、4回にわたって掲載する
 第二次世界大戦の大空襲で大阪の多くの建築物が失われた。江戸から明治へと続いてきた木造の商家や長屋の街並みはほとんど残っていない。大阪の住宅の伝統が戦前、戦後で断ち切られているということだ。そして戦後を支えた建築物は、その価値が評価されないうちに壊されてしまう。阪神・淡路大震災で生き残ったものが開発の波の中で消滅するのは本当につらい。
 そういう中にあって、西長堀アパート(1958年完成、大阪市西区)は当時の住環境を垣間見ることができる貴重な存在だ。東京の晴海団地(57年完成)がなくなったいま、日本住宅公団(現都市再生機構)が同じく将来の高層住宅の試金石としてつくりあげた西長堀アパートは現在も生き続けている。
 西長堀アパートとは縁があって、小学校高学年のころに何度か訪ねたことがあった。兵庫県西宮市の自宅から地下鉄御堂筋線に乗り換え、心斎橋からトロリーバスで西長堀に行くのは心細かった。目的地に近づくごとににぎやかさがなくなっていくのだが、当時まだ残っていた長堀川に架かる鰹座橋を渡ると別世界。軍艦のように巨大な建築物にカッコ良さを感じたものだった。
 振り返ってみると、当時のモダンリビングのプランを取り入れ、先進性はいまも健在だ。南に並ぶ住戸の北側廊下は開放しないで大壁面とし、細いスリット窓で光を採り入れるアイデアは、ほかの集合住宅にはない面白さだ。一部が架台からはみ出す形状の塔屋や、具体美術で知られる吉原治良によるエントランスホールのアートなど、端々に意欲、こだわりが見える。設計者は日本住宅公団大阪支所となっており個人名が出ていないところは、公団にこれからのモデルをつくる意識があったのではと感じる。
 この場所には、江戸時代に土佐藩の屋敷が建っていた。文人・本草学者の木村蒹葭堂が近くに居を構え、長堀川から荷揚げされる渡来の書画を収集していたという。明治維新後は三菱グループ創業者の岩崎弥太郎が屋敷を構えた。戦後は大阪市立大学家政学部の学舎が置かれ、次世代の人材の学び舎。その後、時代に先駆けた高層住宅が建てられるというように、この地は最先端を走り続けていた。
 西長堀アパートは年を重ね、最先端とは程遠くなりかけていたが、昨年大規模なリノベーションを終え、新たな住まい方のニーズを掘り起こしている。これからも大阪の水先案内人を務めてくれるのではないかと思う。
(大阪府建築士事務所協会会長 佐野吉彦)

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