日建設計は、これからの時代の新たな教室・学校の在り方に関する提案を「まなびのまどり」プロジェクトの中でとりまとめ、17日に公表した。少子化や公共施設の再編、国の教育動向といった環境の変化に応じた「先生と児童のためのこれからの校舎」を考えるに当たり、課題を明確化するための七つの問いを設定。教室や職員室、共用部の形や方角、空間の使い方に関する問題点とこれに対応する新たな可能性や効果を提示した。
七つの問いは、これまで大きな変化がないまま採用されてきた教室の均等なサイズ・形、南向きの方角や職員室の使いにくさなどに疑問を投げかけ、▽子どもの成長や使い方に合わせられる自由な教室▽温暖化・ICT時代に適応した光・熱・音環境▽先生と子どもたちの位置関係を固定しない教室▽出会いや学びが生まれる目線や空間の可能性▽学校の中に“お気に入りの場所”をつくる▽先生・子どもにとって便利な職員室のアップデート▽学びの場・遊びの場としての共用部--の可能性を提示する。
具体的には、子どもの交流の活発化や将来的なリノベーションの可能性などを見込んだ「余白」を構造や空間に取り入れるとする提案などが示された。職員室では情報管理に配慮したしつらえ、リラックスできる場づくり、フリーアドレス化などを提案した。
同社設計グループの浅野卓郎設計部長は「もともと学校やオフィスは見ただけでそれと分かるものが好まれる傾向にあったが、施設の複合化やコロナ禍を経た通風に対する意識などによってこうした潮流が変わってきている」とし、「これらの変化に由来する『空間の見通しの良さ』を教育施設にも導入する必要があるのではないか」と検討の経緯を語った。
七つの問いは議論を開始し、考えるためのきっかけとして位置付ける。設計コンペなどでは、参加する段階で既に諸室数など建物の大枠が決まっていることから、施設の指針づくりなど、より川上の段階で議論するためのツールとして活用したい考え。

