建設通信新聞

書籍案内
お申し込み ログイン
ヘッドライン
新着ニュース
  • 新着ニュース
    • 行政
    • 企業
    • 団体
    • 人事・訃報
    • インタビュー
    • その他
    • 北海道・東北
    • 関東・甲信越
    • 中部・北陸
    • 関西
    • 中国・四国・九州
    • 全国・海外
  • WEB刊
  • 動画 NEWS
購読お申し込み 書籍案内
    ホーム > WEB刊 > 人・未来を担う > 連載・「眠れる労働力」掘り起こせ マッチボックスの挑戦(1)
人・未来を担う

連載・「眠れる労働力」掘り起こせ マッチボックスの挑戦(1)

最終更新 | 2026/10/30 16:46

Facebookでシェアする
文字サイズ

佐藤社長

【建設業と短時間労働を親和/内製化でマッチングを自立】
 建設業の現場作業にスポットワークはなじまない--。Matchbox Technologies(新潟市、佐藤洋彰社長)が独自開発した、クラウド型のスポットワークプラットフォーム「マッチボックス」は、こうした社会通念に変革をもたらそうとしている。最大の特長は同種のサービスで存在しなかった、マッチングを含めたスポットワーク機能の内製化だ。外部サービスの依存による人間関係、専門知識・スキルの蓄積などの不継続性といった従来のデメリットを大きく緩和し、現場作業と短時間・単発労務を親和させる。先行導入する他産業に加え、地域産業維持の観点から労働力確保に頭を悩ます地方自治体でも導入実績が増えている。
 マッチボックスの独自性であるスポットワーク機能の内製化は、▽企業自らが人材プール(従事希望者のデータベース)を構築・運営▽それに基づく自前でのマッチング▽労務処理、法令対応の一元管理--の3点を中核とする。
 佐藤社長は「建設業こそスポットワークを使うべき」と断言する。建設業は、社会インフラの整備・維持管理を通じて国民生活を支えるという社会的使命を担っており、工事品質を確保する上で、指揮命令系統や安全管理に関する責任の明確化が絶対条件となっている。そのため、現場従事者は直接雇用のみとし、人材紹介や人材派遣は法律で禁じられている。
 裏を返せば、「他産業に比べて採用手段が少なく、不利な状況」と言える。多様な働き方が求められる昨今、正規雇用だけで必要な労働力を確保することが難しいだけに、「(直接雇用が可能な)スポットワークは建設業にとって有効な手立てになる」という認識が“使うべき”との言葉の背景にある。
 マッチボックスが他のスポットワーク提供サービスと異なるのは、2種類のプラットフォーム構造で形成する点だ。一つ目は「公開型のプラットフォーム」で、行政機関や民間企業が運営主体となり、依頼者からの求人情報を掲載する。例えば、運営主体が自治体の場合は依頼者が地元企業、フランチャイズチェーン本部であれば加盟店となり、求職者と事業者を橋渡しする。
 既に多くの導入実績があり、自治体公式のマッチボックスは富山県や徳島県、新潟市、兵庫県淡路地域(洲本、南あわじ、淡路3市)などの79団体が単独または共同で利用する。
 二つ目の「閉鎖型の自社専用プラットフォーム」が、一線を画す大きな要素とされる。文字どおり運営主体は企業側で、自治体マッチボックスを通じて登録・採用した求職者や当該企業のOB・OG、現役従業員の知り合いなどを「自社メンバー」として登録、人材データを蓄積する。次回からはそれを基に自前でマッチングしていく。
 同社は、このマッチング機能の内製化を「セルフソーシング」と表現・提唱し、「(マッチングを)自立化するツール」とも捉えている。
 これらに加え、コンプライアンスへの対応、税区分に応じた給与の自動計算を備えており、高い水準で利便性と安全性を両立している。さらに、労働契約の合意点は、他のスポットワーク提供サービスが「求職者の申し込み時点」であるのに対し、マッチボックスは「事業者の承諾時点」に設定。日本マクドナルドやローソンなどの大手企業に限らず、さまざまな産業の中小企業も活用している。
 佐藤社長は、生産年齢人口の減少下で、「“眠れる労働力”の掘り起こしが鍵を握る」と強調する。特に「建設業は地域の資産である眠れる労働力を最大限活用し、人手不足という(経営上の)消耗戦から脱却しなければならない」と指摘する。

【仮説の証明が原動力/人手不足のつらさ解消】
 佐藤洋彰社長は、Fusion’zの代表として新潟、埼玉、東京、神奈川で30店舗以上のローソンを経営する中で、「人手不足には痛いほどのつらさを感じていた」という。それが挑戦の始まりだった。
 ローソンフランチャイズ本部もこの課題を重く捉えており、「一人でも多くの店舗責任者を救いたい」と同様の思いを抱いていたため、異例ではあるが、2014年に両社の合弁による加盟店向けのアルバイト採用支援企業(ローソンスタッフ)を設立。佐藤氏はかじ取り役に就いた。
 新たな、そして大きな一歩を踏み出す一方で、「実効性をいかにして確保するか」が、プロジェクトの行く末を左右すると強く認識していた。
 方向性としては、「即戦力となるOB・OGのほか、現役従業員の知り合いなどとの接点を生かす」を出発点に設定。こうしたつながりが「店舗ごとに体系化され、体制(シフト)づくりに反映できれば、劇的に改善される」との仮説を立てた。
 つまり、短時間・単発勤務といったスポットワークの利点を押さえつつ、既存のスポットワーク提供サービスが取り組んでこなかった、人材調達機能の内製化(セルフソーシング)への派生、構築が目指すべきゴールとなった。
 最も重要となる開発上の信念には、自身の経験を踏まえ「コンプライアンスを徹底しつつ、店舗責任者が気軽に使えるもの」を据え、事業者が留意しなければならない労働基準関係法令の順守と、税区分に応じた給与計算を仕様に盛り込むこととした。
 この二つに対応したセルフソーシングシステムが実現すれば、新たな価値を創出するとともに、社会的に大きなインパクトを与えるだけに、「開発は想像を超えるほど、はるかに難しかった」と振り返る。
 「正しいものをつくるのは簡単だが、それが必ずしも使いやすいとは限らない。かといって、安易にどちらかを切り捨てるわけにはいかなかった」と首尾一貫した姿勢で、試行錯誤を続けた。
 着想から約3年を要し、20年にプロット版が完成。ローソンなどの民間事業者に加え、22年には新潟県湯沢町(ゆざわマッチボックス)にも提供を始めた。自治体主導によるスポットワークプラットフォームの運営は全国初だった。
 奇しくもその頃、コロナ禍を経て労働環境は激変。生産年齢人口の減少が加速化し、大都市、地方を問わずさまざまな産業で労働力不足が顕在化していた。
 多様な働き方・人材確保に対するニーズの高まりは起こるべくして起こったものであり、「眠れる労働力の掘り起こし」につながるマッチボックスの実運用は、早い段階からその到来を見据えていたと言える。
 「やすきに流れず、目先の成果に走らなかった結果、時代の少し先を行く性能が確保できた」と胸を張る。
 また、「労働力の確保という社会課題に向き合えることは、一人の人間として貴重な機会」とした上で、自身が立てた仮説を証明することへの好奇心を原動力に、「今後も改善を続け、前進していく」方針だ。

人・未来を担う 建設通信新聞購読お申し込み

関連記事

  • 【工程簡略化で低コスト】東電RP テトラ・スパー型浮体式洋上風力発電の実証プロジ…

    最終更新 | 2021-02-08 13:10

  • 【新潟スワンエナジー】新潟市、JFEエンジ、第四北越フィナンシャルグループが地域…

    最終更新 | 2019-07-18 13:44

  • 【2017夏休み特集8】来年のご参考に…建築・建設・土木のイベント記事ご紹介!

    最終更新 | 2017-08-18 15:46

  • 【BIM2025⑬】JR東日本 BIM活用へ横断的連携進む

    最終更新 | 2025-06-19 13:19

  • 【ウイグル自治区】民間企業が日本初進出! 技術の情報提供する交流拠点を新潟市に

    最終更新 | 2017-04-06 14:51

記事フリーワード検索

紙面ビューワ

本日の紙面

2026/10/30
key
建設専門紙がつくる
工事データベース
建設工事の動きのロゴ

10/27 更新!

公式SNS

  • 新聞の画像
    建設通信新聞
    月刊建設工事の動き
    見本請求
  • 月刊「建設工事の動き」
    購読のお申し込み
  • 連載記事
  • 広告のご案内
  • リリースはこちら

アクセスランキング

  • 【明芳会】イムス記念病院を移転、筑波大学常盤台職員宿舎跡地 …

    掲載日|2026/10/23
  • 【日本赤十字社】事業費は100億を試算、成田赤十字病院救命救…

    掲載日|2026/10/27
  • 【印西市】買い取り方式に変更、東の原義務教育校新設

    掲載日|2026/10/27
  • 【藤田観光】伊勢市に10階建てホテル、28年秋開業

    掲載日|2026/10/22
  • 【前橋市・千代田町再開発準備組合】計画見直し事業費抑制、図書…

    掲載日|2026/10/28
  • 会社概要
  • サイトマップ
  • サイトポリシー
  • 特定商取引法表記
  • 個人情報保護
  • 行動計画
  • お問い合わせ
Copyright ©2012-2026
The Kensetsutsushin Shimbun Corporation.