【復興特別版】復興まちづくりと連携し進む 東北地整が名取川河口部、閖上区画整理など現場公開 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【復興特別版】復興まちづくりと連携し進む 東北地整が名取川河口部、閖上区画整理など現場公開

閖上地区では土地区画整理事業が進む

 東北地方整備局は、震災復興事業などの現場を報道機関向けに公開した。同局が整備した名取川河口部、宮城県名取市が進める閖上地区被災市街地復興土地区画整理事業、岩沼市の玉浦西地区防災集団移転促進事業の3カ所について、現在の状況とこれまでの取り組み事例を各事業の担当者が紹介した。
 名取川河口部では同局担当者が、震災直後から被災した堤防の応急復旧に対応し、完了後も名取市などの復興まちづくりと連携しながら河川管理施設の復旧・復興を進めてきたことを説明。具体的には、藤塚地区の堤防1.4㎞と閖上地区の堤防2㎞の計3.4㎞を震災前の海抜6mから、海岸堤防と同じ7.2mにかさ上げしたほか、閖上水門を復旧した。
 閖上地区堤防の背後地で名取市が進める土地区画整理事業の現場では、市の担当者がまちづくり事業の全体図を示しながら、被災した同地区の概要と整備方針を解説した。
 地盤を3mかさ上げした西側の約57haに住居や学校などを集約し、東側約58haにはゆりあげ港朝市や水産加工団地などを設ける。2019年度の事業完了を目指して復興公営住宅や閖上小中一貫校の整備が進んでいる。
 玉浦西地区では岩沼市沿岸部の被災集落が、市により造成された土地へ移転する際のまちづくりの取り組みなどを同市職員と玉浦西まちづくり住民協議会の中川勝義会長がそれぞれ説明した。
 移転事業では、海岸から3キロ離れた同地区20haに111戸の公営住宅とともに住宅用敷地158区画を整備。相野釜、二野倉などの6集落の住民が入居した。15年7月にはまち開きが盛大に行われた。
 いちからスタートしたまちづくりについて中川会長は「貞山運河とのかかわりなど、地域のかつての暮らしが思い出せるように工夫した。公園の名前には中学生の意見が採用されており、高齢者から子どもまでたくさんの住民がまちづくりにかかわっている。若い親や高齢者が安心して暮らせることを大きな目標にしてこれからも一歩ずつ前進したい」と話した。

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