【デザインレビュー】協働で課題解決を図りながら『プレイスメイキング』 青葉山公園センター設計 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【デザインレビュー】協働で課題解決を図りながら『プレイスメイキング』 青葉山公園センター設計

デザイン案の模型

 仙台市が青葉山(仮称)公園センターの設計を委託しているAOBA-JV(ティーハウス建築設計事務所・グラック・文化財保存計画協会JV、設計協力=齋藤和哉建築設計事務所)は、市内の東北大川内北キャンパスでデザインレビューを開き=写真、設計デザインの素案を示した。平屋建て2498㎡の規模で、内部は展示室とカフェ、ホールの3つのメイン空間を大回廊でつなぐ施設構成を想定している。
 同センターは、仙台藩政時代に武家屋敷などがあった青葉区追廻地区の歴史や青葉山の麓としての立地などを生かし、同地区の敷地約1haに整備する。
 同JVは設計に当たり、“場所を育てる”『プレイスメイキング』の考え方のもと、設計チームと文化財保護のスペシャリストによる統括監修者グループ、市民によるワークショップで課題解決を図りながらデザインなどを詰めていく。
 プレイスメイキングの一環で行われたレビューは2部構成で展開。1部はティーハウス建築設計事務所の槻橋修神戸大准教授らが設計デザインの素案を示すとともに、建物と空間の構成や公園のデザイン方針、ゾーニングなどの検討状況について模型などを使って解説した。
 この中で、槻橋准教授らは風況調査結果に基づき同センター建設地には1年間を通じて南北に風が流れていることを説明。その上でメインの3つの大空間を風の進行方向に縦軸に並べて配置するとともに、各空間を武家屋敷を連想させる回廊で結ぶことで、建物内に風の通り道を確保し、自然風を生かしたつくりにする方針を示した。
 このうち、展示室について槻橋准教授は「山鉾(やまぼこ)や七夕飾りの実物が展示できる柱の少ない大空間にする。天井から光を採り入れ、年中穏やかな明るさにしたい」などと語った。
 この後の2部ではこれらの説明を踏まえ、デザインの方向性や機能構成、使い方などのテーマについて来場者とディスカッションした。

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