【デザインレビュー】最優秀賞は西慶太郎さん(慶應大)の「型取られる都市」 ビルの隙間で"魅開"の空間創出 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【デザインレビュー】最優秀賞は西慶太郎さん(慶應大)の「型取られる都市」 ビルの隙間で“魅開”の空間創出

最優秀賞の「型取られる都市」模型

 デザインレビュー2017が11、12の両日、福岡市東区のアイランドシティ中央公園ぐりんぐりんで開かれた。ことしのテーマは「魅開」。予選を勝ち抜いた8作品による決勝審査では、大西慶太郎さん(慶應大)の「型取られる都市」が最優秀賞に輝いた。
 デザインレビューは、建築を学ぶ学生の作品をプロの建築家らが講評することで、参加者と一緒にデザインの可能性やリアリティーについて広く意見交換する活動として企画され、ことしで22回目を迎えた。主催は同学生実行委員会。日本建築家協会(JIA)九州支部が共催し、総合資格学院(岸隆司学院長)が特別協賛した。
 クリティークは川俣正、岸上純子、諏訪正樹、豊田啓介、西沢大良、三谷康彦の各氏が務め、司会を矢作昌生氏が担当した。
 ことしは全国から223点の応募登録があり、予選審査で本選進出64作品を選考した。ポスターセッションで決勝進出8作品を選び、決勝は学生自らのプレゼンテーションとクリティークによる質疑応答形式で進められた。プレゼンテーション終了後に審査員の投票、議論で入賞者を選出した。
 大西さんの作品は、ビルの隙間に配筋を組み、既存のビルの壁とで多様な空間を創出する。江戸時代の町割りを基にビル群が形成され大規模再開発によりその風景を大きく変えようとする銀座を舞台としたが、「一般化も可能」とした。優秀賞には田代拓也さん(九州大)の「跡無き参道に佇む22の歌」、熊谷和さん(同)の「水際の系譜」が選ばれた。

表彰を受ける大西さん(左)

 閉会式では、水野宏JIA前九州支部長が「幅広い議論をしてもらうことが趣旨。議論を通して自分が足りない部分を補っていってほしい」、総合資格学院の小川一也九州本部長は「人手不足の建設業界において、若者が活躍できる場を今後もつくっていきたい」と述べた。
 クリティーク賞、JIA卒業設計選奨(全国卒業設計コンクール九州地区予選通過者)の受賞者は次のとおり(敬称略)。
 〈クリティーク賞〉
 ▽川俣正賞=鶴田敬祐(九州大)▽岸上純子賞=倉富那美子(九州産業大)▽諏訪正樹賞、西沢大良賞=高尾昂大(九州大)▽豊田啓介賞=久家孝允(九州産業大)▽三谷康彦賞=大吉真由(崇城大)。
 〈JIA卒業設計選奨〉
 ▽大吉真由(崇城大)▽付暁蕾(同)▽倉富那美子(九州産業大)▽田代拓也(九州大)▽高尾昂大(同)▽熊谷和(同)。

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