1967年7月に栃木県足利市で建設機械のレンタル会社として創業し、50周年の節目を迎えたレンタルのニッケン。レンタルを通じ、顧客に対してさまざまな商品やアイデアを提供してきたが、一部の商品については顧客と一緒に開発を進め、課題の解決に取り組んでいる。
同社によると、鉄道用機械を持つレンタル会社は全国に数社あるが、保有シェアは約半分以上を占めているという。開発も行っており、現在主軸となっている鉄道用ダンプのほか、顧客の作業やニーズと合わせてさまざまな商品を開発・提供している。
「レンタル会社として最も重要なことは、安心で安全な機械を貸し出す出荷体制」というように、特に鉄道用機械は終電から始発まで線路上で作業を行うため、万が一の故障で始発時間を遅らせてしまうことのないよう、点検・出荷は特に慎重に行っている。入念な点検をしたあとに、工場内の線路の上を走行させる完成検査を行ってから、顧客に商品を提供するとともに、機械の方にも二重三重の安全装置を備え万全を期している。
鉄道事業の核となる商品が軌道陸上兼用車(軌陸車)だ。軌陸車の特徴として、現場近くの線路から乗り入れができ、終電から始発まで短時間のスケジュールの作業が要求される中で、時間の短縮に効果を上げている。特に始発が早い都市部で活用されている。
一方、創業の地である足利市にある足利オフィスでは、商品開発、機械の品質管理や整備体制、社員への教育のための機能・施設を持ち、全国の拠点をバックアップしている。事務棟、サービス工場、研修センターなどからなり、80年には車幅内旋回型のコーヒーカップ式バックホウを開発し、運転旋回時の事故防止と狭い場所で掘削作業を可能にした。
レンタル以外については「自らつくって提供する力を持っている」とするとともに「メーカーから購入する時も、厳しい目でチェックしており、当社が購入している機械は、品質が良く丈夫なものが多いというイメージを私たちは持っている」と言う。
研修センターには、同社の歩みや実機を通して商品開発の歴史に触れられる展示室があるほか、実習室、研修室では各種研修を行っている。また、サービス工場では大型機械を中心とした点検、故障機械の修理と、全国の各拠点に対する整備技術のスキルアップのための指導・教育、整備支援を行っている。