【18年7月豪雨】管理ダムの防災操作効果を発表 近畿地整、九州地整、水資源機構 | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【18年7月豪雨】管理ダムの防災操作効果を発表 近畿地整、九州地整、水資源機構

 近畿地方整備局と水資源機構は2018年7月豪雨における淀川水系桂川の洪水対応について公表した。日吉ダムで洪水調節を実施したほか、久我橋付近や嵐山地区では、水防団や地元建設企業などが協力し、土のう設置などの水防活動を実施した。
 5日から8日までの大雨により桂川では、亀岡市の保津橋地点で水位が5.32mまで上昇し、氾濫危険水位を超過。京都市の嵐山地区では天竜寺地点では1.85mまで上昇し、氾濫注意水位を超え7日の夜には堤防溢水が生じた。
 上流の日吉ダムでは、洪水調節を安全に行うため、貯水位を低下させるための放流を実施していたが、10日の朝には終了した。

日吉ダム

 水防活動は久我橋付近で5日と6日、嵐山地区で6日に実施した。桂川・小畑川水防事務組合や京都市消防局、陸上自衛隊のほか、吉川組、松美建設、田中組、西山グリーン、吉村建設工業、岡野組、玉井建設、古瀬組の地元企業が参加、土のうを設置した。

 九州地方整備局筑後川ダム統合管理事務所と水資源機構筑後川局は、2018年7月豪雨による管理ダムの防災操作効果を発表した。
 松原ダム(大分県日田市)と下筌ダム(大分県日田市ほか)では、両ダムで毎秒1439m3が流入し、このうち毎秒626m3を貯留した。推測では、ダム下流の小渕水位観測所地点での河川水位を約88cm低下させた。
 大山ダム(大分県日田市)は13年の管理開始以降最大の流入水量となる毎秒160m3となった。ダム最大流入時には毎秒73m3の水を貯留し、ダム貯水量は85万m3でダム下流河川の被害軽減に大きな効果を発揮した。
 寺内ダム(福岡県朝倉市)の流入水量は最大で毎秒337m3に達し、「150年に1度の確率で発生するような洪水を超える規模」を記録。ダム最大流入時には毎秒217m3を貯留し、ダム貯水量は470万m3で、洪水のほか土砂や流木などをダム湖に貯めた。

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