【九州地整】こいつ…軽いぞ! 油圧ショベル遠隔操縦装置の新型ロボQS登場! シンプル構造で空輸も可能 | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【九州地整】こいつ…軽いぞ! 油圧ショベル遠隔操縦装置の新型ロボQS登場! シンプル構造で空輸も可能

 九州地方整備局は、油圧ショベルに対応した遠隔操縦装置(ロボQ)の新型・ロボQSを開発した。Sは2代目のセカンドのほか、スピーディーの意味を込め、旧型と比べ大幅に軽量化し、短時間の設置や現場までの空輸を可能にした。4月から福岡県久留米市の九州技術事務所に配備し、災害発生時の稼働に備えている。
 ロボQは、雲仙普賢岳噴火による火砕流・土石流災害対応を契機に1999年度に開発・導入され、以降全国各地で2次災害の恐れがある災害現場などでの無人化施工で活躍してきた。しかし、搭載可能な機種の減少や現地搬入に時間がかかるなどの課題を抱え、同局は3年前から新型の開発を進めてきた。開発にはフジタやIHIが技術協力した。
 人型ロボットに近く運転席を外して設置していた旧型に対し、ロボQSは骨組みの土台と4本のアームによるシンプルな構成で、運転席の上に設置できる=写真。サイズを調整できるためすべての重機メーカーに対応し、設置したままの搭乗運転も可能だ。設置時間は3時間を要した旧型に対し、30分程度に短縮でき、レバーやピン留めなどで組み立てられ工具を必要としない。

操作の様子

 重量は80㎏と旧型の180㎏から大幅に軽量化した。機械は分割が可能で、ワンボックスカー1台で運搬できる。動力源は、油を必要としたこれまでの圧縮空気から重機のバッテリーを使った電気式に変えたため空輸もできる。
 操作方法や動作はこれまでと変わらないが、オペレーターによると動力源の変更で操作反応がよくなったという。キャビン屋根に取り付けたカメラの画像を見ながら操作し、150mまでなら遠隔操作でき、中継所を設置すればさらに遠距離でも操作できる。
 12日に同事務所で開かれたお披露目会であいさつした島本卓三事務所長は「安心、安全を守る社会資本整備に貢献したい」と述べ、ロボQSの活躍に期待を込めた。現在は同事務所に配備した1台のみ。今後、旧型の更新期などを見極めながら導入を図っていく方針だ。

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