【東大隈研の「ナマコ」】「編む」テーマに映像とモックアップ展示@LIXILギャラリー 9/25まで | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【東大隈研の「ナマコ」】「編む」テーマに映像とモックアップ展示@LIXILギャラリー 9/25まで

 LIXIL企画の「クリエイションの未来展」の第16回「KUMA LAB:Weaving 東京大学建築学専攻隈研吾研究室の活動」展が東京・京橋のLIXILギャラリーで始まった。世界中から約40人の学生が集う東大の隈研吾研究室では、木、石、ガラス、樹脂などさまざまな素材を使って、「積む」「包む」「支え合う」「編む」といった操作方法で数多くのプロジェクトに取り組んでいる。展覧会ではこのうち「編む(Weaving)」をキーワードに、プロジェクトや研究活動を映像で紹介しているほか、「NAMAKO(ナマコ)」という大型作品を制作し、展示した。

「NAMAKO」の前で隈氏(左)と構造を担当した江尻氏

 「NAMAKO」は、ことし11月にオーストラリアのキャンベルで開催される「デザイン・キャンベラ・フェスティバル」のパビリオンとなるもの。モックアップとして制作した。「編む」を実践したもので、スチール製のリングと竹ひご約1000本を結束バンドで編んだフレームをつくり、そこに、アクリル棒約4000本を結束バンドで編んだメッシュをさらに編み込んで制作している。
 キャンベラに設置するパビリオンは、この展示の約1.5倍のスケールで、キャンベラ大学建築学部の学生が制作する予定だ。
 展覧会の監修者でもある隈氏は、19世紀最高の建築理論家といわれるゴットフリート・ゼンパーが「建築とは編んで作るものだと見抜いていた」と指摘し、「隈研もいろいろ編んでいる。今回もオーストラリアのパビリオンを依頼され、やたらに編んでみた」とコメントしている。
 クリエイションの未来展の監修者の一人で、金工作家、文化庁長官の宮田亮平氏が内覧会であいさつし、「許可をもらって中に入って横になってみたら、内視鏡になったような感じだった」と笑って話していた。
 構造を江尻建築構造設計事務所が担当。江尻憲泰代表は「ジリツ(自立+自律)させるのがかなり難しい構造物」だと話す。床には、LANケーブルを生産するときに出る廃材(ナカダイ提供)を敷いている。
 9月25日まで。午前10時から午後6時。水曜休館。無料。

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