【鉄筋結束機のパイオニア】結束の未来を、約束しよう――マックスの最新モデル『ツインタイアRB-440T』 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【鉄筋結束機のパイオニア】結束の未来を、約束しよう――マックスの最新モデル『ツインタイアRB-440T』

 手作業の鉄筋結束を機械化し、職人の働き方改革をサポートする--。鉄筋結束機のパイオニアとして1993年に世界初の充電式鉄筋結束機を発売したマックスは、2017年に満を持して最新モデル『ツインタイアRB-440T』を発売した。2本のワイヤで鉄筋を結束する革新的「ツインタイア機構」を搭載し、慢性的な人手不足が続く鉄筋工の生産性向上の切り札として普及が進んでいる。新3K(給料、休暇、希望)時代を見据え、鉄筋結束の未来を約束するツインタイアの特徴を、熟練鉄筋基幹技能者による活用法などを通じて紹介する。

スピード、結束力、経済性を強化 マックス機工品営業部マーケティンググループ 竹内光芳さん

 熟練の技術が要求される「ハッカー」に替わるツールとして開発された同社の鉄筋結束機は1993年の発売から25年の間、改良を重ねながら着実に進化を遂げてきた。機工品営業部マーケティングGの竹内光芳さんは「当社は現場の声に耳を傾け、職人の皆さまに教えてもらいながらものづくりを進める“現場力”を大切にしています。鉄筋工の慢性的な人手不足への対応、生産性向上に貢献するのが目標です」と製品開発のポリシーを説明する。

マックス機工品営業部マーケティンググループ 竹内光芳さん

 同社の技術を結集して開発した『ツインタイアRB-440T』は、「歴代の鉄筋結束機を大きく上回る性能になります」と説明する。ポイントは、新たに搭載した3つの革新的な機構にあるという。

◆世界初のツインタイア機構搭載
 1つ目は、最大の特徴となる「ツインタイア機構」の搭載だ。世界で初めて“2本のワイヤを同時に送り出してねじる”ことを可能にした構造で、鉄筋にワイヤを巻き付けてねじるまでの速度が130%に向上し、0.7秒(従来は0.9秒)での結束を実現した。2本のワイヤを同時に送り出すことで巻き付ける回数も3回から1回に減らす。
 2つ目は巻き付けた後にワイヤを引き戻す「引き戻し機構」だ。結束力を従来の約1.5倍に高めるとともに、鉄筋の太さや形状に応じてワイヤの長さを最適化する。「鉄筋に巻きつけた後、ワイヤを送り出す機構を逆回転させて引き戻すことで、より強く縛ることができます。ワイヤの使用量も減るため、1リール当たりの結束回数が約2倍になり、ランニングコストの低減につながります」とメリットをあげる。
 3つ目のカットしたワイヤの先端を折り曲げる「先端折り曲げ機構」は、ワイヤのねじり部分となる“ミミ”の高さを約12mmと従来機から半減し、コンクリートのかぶり厚の少ない現場やプレキャスト工場でも使えるようにした。従来機によるプレキャストコンクリートの製作では、“ミミ”が高いと品質が一定せず、後処理で手間取ることも多かったが、「今回の改良でプレキャストコンクリートでの採用が増えてきました」と手応えを語る。
 さらに鉄筋への差し込み口を拡大することで結束できる鉄筋径を鉄筋2本での最小D10×D10から3本での最大D25×D13×D13、4本でのD16×D16×D16×D16まで広げることができ、「1台で結束できる対象が床や壁の鉄筋だけでなく、柱や梁まで広げることができました」と効果を説明する。

◆職人の安全・健康確保に貢献
 同社の鉄筋結束機は欧米でも25年の販売実績があり、ツインタイアも2017年度に発売している。
 特に労働者保護の観点を重視する北欧では、手首や足腰の負担を軽減する効果が高く評価されており、働き方改革が進む日本国内でも機械化による安全や健康に対する理解を広める考えだ。「海外に比べて日本の職人さんは辛いことでも我慢する傾向が強いと感じます。海外はその点をはっきり伝える文化のため、彼らの意見も技術開発にフィードバックしています。人手不足を解消する上で作業負担を軽減することは非常に重要であり、鉄筋結束機で貢献していきます」と力を込める。

2本のワイヤを同時に送り、ねじる 世界初の「ツインタイア機構」


◆ツインタイアを信頼と品質のシンボルに
 これから利用するユーザーに特に伝えたいのは「機械化できるところは徹底的に効率化し、配筋や複雑な形状の結束など職人さん本来の高度な技術が必要な作業に集中してほしい」ということだ。そして「『ツインタイア』の名前が鉄筋結束機の信頼と品質のシンボルになる」ことを目標に掲げる。
 時代とともに仕事の内容も変わるため、「現場の困りごとを聞きながら常に改良を加えていくことが大切になります」と意気込み、今後も現場と向き合いながら機能を向上させる意向だ。

作業効率が大幅に向上、体の負担も軽減 宮本鉄筋社長 宮本政志さん

 鉄筋工一筋24年のキャリアを誇る宮本鉄筋(埼玉県吉川市)の宮本政志社長は、東京都内を中心に大手ゼネコンの建設現場を手掛ける。急速な人手不足による労務改善に迫られたことで、10年前に鉄筋結束機を導入してからは、現場の業務に欠かせないツールとなっている。『ツインタイアRB-440T』がもたらす効果を聞いた。

--鉄筋結束機を導入した経緯をお聞かせ下さい
 「鉄筋工の慢性的な人手不足を少しでも解消したいとの思いから、いまから10年前に2台のマックス製鉄筋結束機を導入しました。その後『リバータイアRB-399』(2009年発売)が発売してから導入台数を7台まで増やし、現場で展開しています。そのころから周りの職人の鉄筋結束機の導入も進みました。少しでも労務の負担を減らしたいという思いは鉄筋工に共通していたと思います」
 「今回発売された鉄筋結束機で強く感じたのは、速度や強さ、使い勝手などほぼすべての面で改善が進んだことです。新たなツインタイア機構で結束力が格段に強くなり、1つのリールで結束できる回数も増え、交換作業も早くなりました。時間のロスも大幅に改善し、1回の結束時間が短縮されることで1日の作業量が大幅に増えました」

宮本鉄筋社長 宮本政志さん


--具体的に効果を発揮している大きなポイントは
 「1つ目は、熟練工でなくてもスピード感ある結束作業を進めることができることです。ハッカーを使って現場で求められる速度で結束するには通常1年から2年程度が必要です。その期間の作業を機械化することで品質と速さを向上できます。当社の海外技能実習生も鉄筋結束機を使っていますが、来日して1-2カ月の実習生ですら、かなりのスピードで作業を進めることができ、大きな助けになっています。わたし自身、手作業であれば『配筋だけで手一杯できょうは終わらないな』と思っていた結束作業が午後3時くらいに終わってしまったときには驚きました」
 「次に、これまで鉄筋径に応じて結束機を使い分ける必要がありましたが、先端差し込み口が広くなったため、細い鉄筋から太い鉄筋まで幅広く対応できるようになり、床や壁だけでなく柱までこの1台で対応できる現場が増えました。機械自体の重量バランスも良くなったため、横向きに結束する時の手首への負担も少なくなっています」
 「1回の結束に使うワイヤが短くなり、エラー回数も大幅に減少したため、ワイヤが2倍も長持ちするようになりました。労働時間も短縮し、経済性が高くなったと感じます」
--ツインタイアを使った感想と今後の抱負をお聞かせ下さい
 「体の負担が軽くなったと実感します。延々と手で結束する作業は足腰への負担が大きく、指先がつることもあり、1日がかりの作業はとても辛いものでした。鉄筋結束機を使うことで明らかに作業が早くなり、足腰への負担も減り週末の体の疲れ具合が楽になりました」

現場に欠かせないツールと して普及が進む

 「配筋と結束の作業を分業化することでさらに施工の効率が上がります。倉庫など大空間のスラブの結束作業はリズム良く作業を進めることができるようになり、これまでの“辛い作業”が“楽しい作業”へと転換し、気持ちの面でも楽になりました。好循環を感じます」
 「今後、鉄筋工の仕事の内容も変わるため、自分たちも意識を変えないと鉄筋業界として生き残ることが難しいと思います。周りの職人ともそうした意識が大切になると話しています。それまで当たり前だった考え方を180度転換するぐらいの発想が必要であり、それは使用する工具にも当てはまるでしょう。使えるものはどんどん使い、生産性向上を進めたいと思います」

130%にスピードアップ、結束力1.5倍を実現したツインタイアRB-440T

 鉄筋コンクリートの建造物の構築に必ず発生する鉄筋結束作業。作業者の負担を軽減するため、マックスは1993年に世界初の充電式鉄筋結束機『RB-260』を発売し、その後も現場の声を聞きながら改良を重ねてきた。2017年に最新モデル『ツインタイアRB-440T』が完成。2本のワイヤで結束するまったく新しい機構を開発したことで作業効率が大幅に向上し、鉄筋結束の未来を変えるツールとして期待される。
 その効果は従来機と比較しスピードを130%に向上、結束力1.5倍、結束線のねじり部である“ミミ”の高さを2分の1に抑えるという3つのアドバンテージに表れる。
 従来機は1本のワイヤをダイヤルの切り替えにより2周または3周巻させて鉄筋を結束していたが、今回開発した「ツインタイア機構」により2本のワイヤを同時に1周送り出すことで、送り時間を半減させた。
 巻き付けた後にワイヤを引き戻す「引き戻し機構」も搭載。鉄筋をしっかり引き寄せるため、結束力を1.5倍に高めたほか、ワイヤの使用量を鉄筋の太さに合わせて最適化するため、タイワイヤ1リールあたりの結束数が約2倍に向上した。リール交換の頻度も減らしたほか、タイワイヤはリールに巻いたテープを廃止し、使用後の空リール(プラスチック)と鉄を簡単に分別処分できるようにし、環境にも配慮している。

専用タイワイヤ

 カットしたワイヤの両端を折り曲げる「先端折り曲げ機構」は、“ミミ”の高さを2分の1に半減する。下部分に出る余分な“ヒゲ”もなくなり、コンクリートのかぶり厚の少ない現場や、プレキャストコンクリート工場での使用も可能になった。

ツインタイアの仕様

 先端差し込み口も広くなり、最小で鉄筋2本のD10×D10から最大は3本でD25×D13×D13、4本でD16×D16×D16×D16まで、対象鉄筋径も大幅に拡大。交差部をしっかり確認できる薄型アームを採用し、鉄筋交差部を見やすくした。進化した結束で鉄筋工の生産性向上の可能性を広げる。

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