【熊谷ラグビー場】選手の息づかいが感じられる臨場感に! 10/20こけら落とし | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

公式ブログ

【熊谷ラグビー場】選手の息づかいが感じられる臨場感に! 10/20こけら落とし

 埼玉県は8月31日、全面リニューアルを終えた新生・熊谷ラグビー場(熊谷市)を報道機関に公開した。日本で初めて開催される世界王者決定戦「ラグビーワールドカップ2019」に向けた新スタンド建設や既存スタンド改修などが完了。今後、外構整備や備品搬入を進め、1年後に世界中から集まる観客を万全の体制で迎える。

全景

 日本有数のラグビー専用スタジアムに生まれ変わった。座席数は約2万4000席で、全席個席シートを完備した。VIPラウンジやグループ利用の個室観覧席も設けた。客席は最大35.5度の勾配を付け、フィールドを見下ろせる臨場感あふれるスタンドを実現。また、タッチラインとスタンドの距離を8-9mに縮め、選手の息づかいが感じられる観戦環境を整えた。フィールド面を約1mかさ上げして見えづらい部分を解消したほか、ラグビーに適した新品種の芝も採用した。
 大迫力の175㎡大型映像装置や夜間試合が可能なLED照明も新設。選手控室は4室設置し、連続で試合ができるようにした。選手の疲労回復のため、アイスバスも完備している。
 新スタンドの規模はRC一部S造4階建て延べ1万7071㎡、既存スタンドを含む全体の延べ床面積は2万9690㎡。設計・監理は松田平田設計が担当した。
 今回実施したリニューアルプロジェクトのうち、メインスタンドやサイドスタンド、グラウンドなど大部分を整備する「熊谷ラグビー場新スタンドほか建設工事」は清水建設が手掛けた。技術的な難易度の高さなどを理由に、設計段階から施工者が参画するECI方式が採用された。同社は、主要な構造部材のプレキャスト化、大屋根の鉄骨や巨大防風スクリーンのユニット化など建設工事の工業化を推進し、工期短縮と安全・品質の確保を実現した。

新スタンド外観

 このほか、昇降機設備設置工事を三菱電機が手掛け、既存スタンドの改修工事は建築内部を島村工業、建築外部その1をケージーエム、同その2を古郡建設、電気設備を高山電設工業、給排水設備を温井住設、空調設備を大クマ工業が担当した。10月末までに終える予定の外構整備工事は、1工区を島村工業、2工区を新井工務店が担う。

約1mかさ上げしたフィールド

 新ラグビー場は1日の全国高校ラグビー埼玉県大会開会式で初めて利用。23日にはワールドカップ開催1年前イベントが開かれるほか、10月20日にはこけら落としとして、ラグビートップリーグ「パナソニック対キヤノン」の試合が行われる。ワールドカップは2019年9月20日に開幕し、熊谷ラグビー場では3試合が予定されている。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら