オカムラは、電通国際情報サービス、明治安田厚生事業団と共同で、AI(人工知能)を使って、オフィスリノベーションが社員の健康・行動に与える影響を可視化する実証実験を開始した。「働き方改革」や「健康経営」の課題を解決するため、オフィスリノベーションの効果を計測・検証し、生産性・健康を向上させるオフィス環境開発・普及の足掛かりとする。
実験の方法は、オフィスリノベーション前後の定点カメラの映像を、AIを活用した画像解析技術で分析・可視化し、これを活動量計や自記式の質問紙調査で得られた個人データと組み合わせて、心身の健康度や労働関連指標が改善したかを検証する。
実験の対象となるリノベーションは、社員交流を目的とするさまざまな広さのオープンスペース設置や、グループ単位で使える執務机配置が主となる。
定点カメラによる午前9時から午後5時までの映像、従業員の座りすぎを中心とした身体活動の記録、心身の健康度や仕事への姿勢を評価するための自記式の質問紙調査をとる。
定点カメラの映像にディープラーニング・アルゴリズムを活用した画像解析技術を適用し、オフィスのいつ、どこに、何人の従業員がいたかを認識・検出する。
検出データをもとに、経過時間ごとの従業員の位置をオフィスの見取り図に重ね合わせて表示するシステムのプロトタイプを開発し、リノベーション前後のオフィス内の人の流れの変化を可視化する仕組みを実現する。
これらの分析やデータを組み合わせて、従業員の活動性がリノベーション前後でどのように変化したか、職種や業務内容ごとに特徴や違いがあるか、社員交流を目的としたオープンスペースが活用されたかなどのほか、行動の変化が心身の健康度や労働関連指標の改善につながるかも検証する。