【山岳トンネル3D出来形管理システム】点群データで覆工厚などが可能に β版を1カ月無料公開 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【山岳トンネル3D出来形管理システム】点群データで覆工厚などが可能に β版を1カ月無料公開

 佐藤工業とユニアデックス(東京都江東区、東常夫社長)、日本ユニシス・エクセリューションズ(同、今村康社長)は、山岳トンネルの3D出来形管理システム「出来形マイスター・トンネルPKG」を共同で開発し、β版の無料公開を開始した。1カ月間、無料で覆工厚さの判定に利用できる。β版の利用者から意見を集め、2019年の正式版販売開始を目指す。

共同開発した山岳トンネルの3D出来形管理システム概要

 トンネルPKGは、レーザースキャナーで計測したトンネル内壁(吹き付け断面、覆工断面)の点群データから、覆工厚さの判定、覆工コンクリート打設量の想定、覆工断面の出来形計測ができる。設計モデルはトンネルの設計断面と中心線形から作成し、計測モデルは計測した点群をグリッドメッシュ化して作成する。
 通常、レーザースキャナーなどで計測した点群データには、風管や重機といった不要な点群も含まれており、手作業で削除する労力や時間がかかっていた。トンネルPKGでは、設計断面を基準に点群を残す範囲を指定できるため、一括で不要点を削除できる。風管や重機の裏側などレーザーが直接、照射されず、点群が欠損してモデル化されない部分については、設計モデルを当てて補完する機能も備えた。
 覆工コンクリートの打設前は設計モデルと吹き付け断面モデル、打設後は吹き付け断面と覆工断面のモデルをそれぞれ重ね合わせ、差分から覆工厚さを算出する。算出結果は、数十cm角のブロックに色分けしたヒートマップで表示する。
 現行の出来形管理では、1打設ごとに複数個所を巻き尺などで検測するのに対し、レーザースキャナー計測なら数十mに1回の計測で済み、作業時間を大幅に削減できる。施工中の現場で試行した結果、現行の作業時間に比べ、約8割の削減が可能だった。
 β版の利用に当たってベースとなるトンネル断面のCAD出力などの機能は、日本ユニシス・エクセリューションズの「CADmeister」の利用契約が必要となる。

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