【建設業における女性活躍に期待】男性に劣ることなし 松下産業が講演会で事例を紹介 | 建設通信新聞Digital

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【建設業における女性活躍に期待】男性に劣ることなし 松下産業が講演会で事例を紹介

 中小建設業の経営者などを対象にした女性活躍推進講習会が6日、福井市の福井地区建設会館で開かれた。
 講師は松下産業(東京都文京区)の松下和正社長。「女性が活躍するために中小建設業ができること」という演題で、新卒の継続的採用やワーク・ライフ・バランスの取り組み、女性技術者の現場への起用などについて自社の経験を踏まえ約2時間、精力的に語った。
 「東京都人材育成大賞知事賞優秀賞」を受賞したほか、「文京区ワーク・ライフ・バランス推進認定企業」「都がん患者の治療と仕事の両立への優良な取り組みを行う企業」にも選ばれている同社の松下社長は、「実は女性技術者の採用については最初、社内の抵抗が強かった」と話を切り出し、7、8年前から採用に踏み切ったところ、「現場に配置して1カ月で『女だから-』というのはみんな、吹っ飛んでしまった」と認識が180度変わった経緯を振り返った。
 現在、現場監督をしている大卒(建築系)の女性技術者6人の声とその上司16人のコメントを紹介し、ほとんどの上司が「男性より女性が劣ることはない。性差なし」と回答したことを強調。むしろ「積極性やコミュニケーション力」「男性が気づかないところに気づく」「草食系男子より根性がある」などを優位性として挙げ、「現場作業員が協力的になり、作業効率もアップした」「現場近隣に対して良い印象を与えている」といった環境変化も指摘。
 「現場に女性は向かない」というのは思い込みに過ぎないと力説し、「施工管理を志望する女性の新卒はやる気が違うし、非常に優秀だ。しかしそんな子ほど大手ゼネコンに採られてしまう」としつつ、「皆さんもぜひ、女性技術者を採用してみてください」と強く呼び掛けた。
 講習会は国土交通省、全国中小建設業協会、建設業振興基金の共催。全国9カ所で開かれる、福井は4カ所目となる。地域の建設企業の経営者など約50人が聴講した。人事担当などの女性社員も約10人参加し、終了後には講師の松下氏に直接疑問点などを聞いていた。

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