【「Nearly ZEB」達成へ】大成建設整備、横浜市の技術センター「次世代研究開発棟」が完成  | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【「Nearly ZEB」達成へ】大成建設整備、横浜市の技術センター「次世代研究開発棟」が完成 

 大成建設が横浜市の技術センターで整備を進めていた「次世代研究開発棟」が完成し、運用を始めた。これまでの材料実験棟を全面改修したもので、材料・環境分野の研究開発拠点となる。オープンイノベーション活動を推進する実験室も設けた。超省エネ技術を導入し民間研究施設のリニューアルで国内初の「Nearly ZEB」達成を目指す。

材料実験棟を全面改修した

 建物の規模はRC・S造地下2階地上3階建て延べ5191㎡。2017年3月15日に着工し18年9月30日に竣工、10月1日から運用を始めた。従来の吹き抜け部を増床したほか、建物外周のメカニカルバルコニーに換気施設や室外機などを集約化したことで有効活用面積を約2割増やした。
 環境分野では微生物を活用した浄化など、材料分野ではコンクリートや内外装の建材の研究開発を進める。オープンイノベーション活動に向けて新設した「オープンラボ」は機器や装置のレイアウトを自由に設定でき、異業種や外部研究機関と連携した研究開発を推進する。

オープンラボ=オープンイノベーションを推進する実験室を設けた

 「パイロット実験室」「緑化実験室」「温湿度可変実験室」「微量分析実験室」も新設した。パイロット実験室は開発技術の本格適用前の実証に活用する。緑化実験室はこれまで敷地内に置いていたものを新設し、芝生や樹木などの生育条件を制御しながら育成条件を評価できる。
 温湿度可変実験室は温度をマイナス20度からプラス50度、湿度を40-90%に変更可能で、寒冷地から熱帯まで各地の温湿度環境を再現する。微量分析実験室はクラス10-1000を実現する。
 使用試薬の登録を一括管理する薬品管理システムに加え、研究室内の実験室の環境を最適化するシステム「T-Labo Next」を導入した。実験室の在室情報、試薬管理、外気・室内環境、実験機器の稼働状況、ドラフトチャンバーの各情報を基に空調、照明、室内換気、局所排気を制御する。
 T-Labo Nextの導入などで年間の1次エネルギー消費量を一般建物と比べ50%削減できる設計で、太陽光発電で28%を創出する。合計で78%削減が可能となり「Nearly ZEB」の達成を目標に検証を進める。
 今後はオープンイノベーション活動をさらに推進し、次世代の材料、環境分野の研究開発と技術提供を進める。さらに超省エネ技術を体感できる多機能な研究施設としてアピールしていく。

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