【ICT土工に果敢に挑戦!】田中産業 新潟県内建設業で初 i-Con大賞・国土交通大臣賞を受賞 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【ICT土工に果敢に挑戦!】田中産業 新潟県内建設業で初 i-Con大賞・国土交通大臣賞を受賞

 国土交通省が実施する「i-Construction大賞」で、新潟県内の建設企業として初めて国土交通大臣賞を受賞した、田中産業(新潟県上越市、田中利之会長)。ICT活用工事の前身となる情報化施工の到来を契機に、工事現場の3次元化の流れを読み取り、率先して取り組んできた姿勢が実を結んだと言える。ICT建設機械の自社保有を強みとしながら、3次元起工測量から出来形管理までの“内製化”を徐々に確立させている同社の現状と今後の展望を追った。 新潟県から受注した「一般国道253号(三和安塚道路)本郷サーチャージ盛土(その2)工事」がi-Con大賞地方公共団体部門(2018年度創設)の国土交通大臣賞第1号に輝いた。
 同社では、ICT活用工事の浸透に向け、その礎となる“経験の積み重ね”を重要視し、これまで新潟県や北陸地方整備局の発注案件でICT土工に果敢に挑戦してきた。今回の受賞工事も同様の考え方に基づき、施工プロセス全体(起工測量、設計データの作成、ICT建機の施工、出来形管理、データ納品)へのICT導入を決断した。
 監理技術者を務めた小林丈明土木部課長は、ICT活用工事に携わるのは初めてだったが、過去の実績を生かした会社全体での支援が「大きな助けになった」と振り返る。また、情報化施工をはじめ、自身が培ってきた技術者としての知見、技術力も円滑施工の一助となった。

小林課長

 施工上は、▽法面整形に使用したICTバックホウで盛土材巻きだしの高さ管理▽仮設搬入路の3次元設計データの活用--などで顕著な成果を上げた一方、不慣れな3次元設計データの作成には「苦労した」という。

仮設搬入路の築造

 今回の受賞について、発注者である新潟県の関係者らに謝意を表した上で、「驚きとともに、喜びを感じている」と話す。この経験は社内の他の技術者と共有し、全社的なICTの推進に寄与したい考えだ。

◆自社保有で機運醸成
 田中朗之ゼネラルマネージャーによると、以前からすべての建機をキャタピラーから購入しており、「ICT建機を自社保有することで、それを施工プロセス全体に生かすため、(測量、設計、出来形管理への)ICT導入にも前向きに取り組む機運が醸成される」と分析する。
 池田一之土木部部長は、後戻りできない失敗となる恐れのある基準点測量を除く「測量から施工、検査までを自社で行っている」と説明。内製化は技術力の蓄積、生産性の向上だけでなく、その先にある建設業の魅力創出、担い手の確保・育成も見据えている。
 また、今後は舗装工事や小規模土工へのICT活用を予定しており、ICT経験者を講師とした研修、直営の重機オペレーターのスキルアップ(機器の取り付け、操作方法の習得)などの社内教育にも力を入れる。

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