【一建会】第30回作品展@東京交通会館(東京・有楽町) 2月2日まで | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【一建会】第30回作品展@東京交通会館(東京・有楽町) 2月2日まで

 国土交通省官庁営繕部関係者の絵画同好会「一建会」(塚田滋会長)の第30回作品展が、東京・有楽町の東京交通会館地下1階シルバーサロンで27日から始まった。油彩、水彩、アクリル画など個性的な作品が集まった。会期は2月2日まで。
 通路に面して展示された平賀芳明氏の『コインブラ旧市街(ポルトガル)』は、立体感のある構図で手慣れたタッチが行き交う人の足を止める。右手に並ぶ足立守氏の『フォロ・ロマーノ』は、奥にカトリック教会を色調を抑えて配置、前面の円柱に映える光と陰が歴史の重さを感じさせる。
 左壁面から順を追ってみる。これまでと違う種類の絵の具を使い、柔らかく、明るく、女性美を表現した高野恵一氏『冬の肖像』が来訪者を温かく迎える。続く、成田修一氏の『郷秋』は長野県秋山郷のブナ林の紅葉の奥深さを緻密に表した。昨年、未完作品を出品した高野隆氏は背景を暖色、寒色などの3色に塗り分けた『サクソフォーン』で復帰。
 中村光彦氏『カプリ島の港』は、「明るい南イタリアの空気感」を表現。水面の揺らぎが心地よい。流石功氏『マチュピチュ』は、天空の古代遺跡を黄金色で荘厳に際立たせた意欲作。最高齢93歳の原田三千穂氏『白鷺城(姫路城)』は空からの視点で、スカイブルーと淡い緑色で大胆に描き出した。
 ●(木片に青の月が円)木勇氏は、昨年と同じテーマ『最後の晩餐』で中央のキリスト像と12使徒を描いた。西洋曼荼羅ともいうべき、独特の宇宙観が見られる。塚田滋氏『槍ヶ岳』は、貝殻を砕いた素材を塗り込んだ画面の質感を生かし、重厚に雄大な風景を描き出し会長の面目を保った。
 五十嵐進氏『バラライカ』は、ドイツの民族衣装を着た日本人モデルとロシアの楽器を配したモチーフにこだわった一作。抽象画の奇才・八木敬造氏は、本格的な抽象画を描き出す過渡期の15年ほど前の『岩のメッセージ』を出展、原点を振り返る。清水正輝氏『紅葉3景』で、南浅川橋、府中郷土の森、昭和記念公園と首都圏の秋景色を軽やかなタッチで描いている。伊東昌明氏は、ふるさと長野の『地蔵峠の秋』で峠道に映える木漏れ日を活写。『鎌倉高校前・サーフィン日和』では、一転して海の明るい日差しをとらえた。
 鬼沢浩志氏『習作-秋』は2度目の出展。都心の秋をさらりと描いた。「見て気持ちよい絵」を信条とする松井輝雄氏『苔むす岩岩と乙女の滝』は、涼しげな滝の匂いが醸し出されている。墨を使い独自の画風を提示してきた横井孝史氏は、今回『風景19』でクロッキーにより心象風景を描く新たな境地を披露。
 奥田修一氏『習作II』は、雪原にたたずむ木立に映える淡い日差しを見事にとらえた。今回2回目の出展とは思えぬ出来栄え。御所園和明氏『里の春』は淡い色彩で青梅線沿線の里を描き出し、桃源郷に誘う。

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