【JFEスチール】8000t引張試験機も! 世界最大規模の大型破壊・疲労評価センターを開設 | 建設通信新聞Digital

4月16日 火曜日

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【JFEスチール】8000t引張試験機も! 世界最大規模の大型破壊・疲労評価センターを開設

 JFEスチールは19日、千葉市にあるスチール研究所千葉地区に鉄鋼分野で世界最大級となる大型破壊・疲労評価センター(JWI-CI2F)を開設した。8000t引張試験機などの各種施設を備え、大型鋼構造物のさまざまな研究をワンストップで実行することが可能となり、試験対象の大型化への対応や研究効率を飛躍的に向上させる。さらに低温環境の大型試験設備の導入による低温用材料開発を加速させ、国内外から顧客や認証機関などを迎えた大型研究プロジェクトの実行、顧客との協業、産学官連携促進、採用・教育活動などの拠点に位置付ける。

開設に合わせて全面オーバーホールを実施した8000t引張試験機

 世界の2大研究開発拠点であるTWI(英国)とEWI(米国)と並び、「世界中のお客様が頼りにする溶接・破壊・疲労研究拠点」をコンセプトにするJWI(JFE・ウエルディング・インスティテュート)構想の拠点となる。同センターは、大型試験評価設備を活用した厚板・鋼管のEVI(アーリー・ベンダー・インモールド)活動拠点として、造船やラインパイプを始めとする商品とその破壊・疲労評価技術の研究開発を行うとともに、実際の評価試験サンプルの展示エリアも併設。国内外の顧客や研究機関と同センターを活用して、多くの共同研究やプロジェクトを創出していくイノベーションの場としての効果を狙う。
 大型試験設備は1000t、1200t、8000tの3台の引張試験機や、大型実管曲げ試験機など16台を備える。実際に試験を間近で見ることで商品・技術への理解促進につなげるほか、展示スペースには、破壊・疲労の研究開発史、技術情報などを展示。大型から小型まであらゆるサイズの試験サンプルを網羅している。また、フランクな会話を通した技術討議が出来るサロンや真摯(しんし)な議論のための会議室なども備えている。
 同社は2018年3月に大阪大学と共同で設立した「JFEウエルディング協働研究所」とも緊密に連携し、大型鋼構造物の安全安心の根幹となる産学連携体制や人材育成の取り組みをより強めていく考えだ。

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