【MRで技術伝承】西日本製鉄所にシミュレーター導入/JFEスチール | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【MRで技術伝承】西日本製鉄所にシミュレーター導入/JFEスチール

 

 
 JFEスチールは、最新のMR(複合現実)技術を使った訓練シミュレーターを同社の西日本製鉄所(福山地区)に展開した。2020年に倉敷地区に導入した連続鋳造機での溶鋼鋳込み量調整作業だけでなく、転炉の傾動作業にもMR訓練シミュレーターを新たに導入し、運用している。今後は、転炉傾動シミュレーターを倉敷地区に導入するだけでなく、全製鉄所・製造所にMRシミュレーターを展開し、若手社員への熟練技術の伝承を推進する。

 転炉傾動シミュレーターは、転炉を傾転させて溶鋼を別の鍋に移し替える通常の作業だけでなく、停電などのシナリオも準備され、予期せぬ操業変化や異常事態に対する訓練を現実の作業と同様の環境で実施できる。溶鋼鋳込み量調整シミュレーターは、倉敷地区をもとに異常事態のシナリオを追加するなど、訓練内容を充実させている。

 現場作業の一部は高温溶融物を取り扱うなど操業・安全リスクが高く、熟練技術が必要なため、若手社員に安全で着実に伝承する上でOJT(職場内訓練)の活用に限界があるという課題を抱えていた。コンピューター上に忠実に再現したバーチャルな工場と、現実世界の人の動きを融合した訓練環境を構築し、実操業と同じような訓練ができるMR教育訓練シミュレーターの開発・導入を推進している。
 

 



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