新日本空調は、工場などの大空間向けタスクゾーン省エネ空調「AiR-Lo3(エアロスリー)」 を開発した。作業域の温度環境改善と省エネルギーを両立する空調システムで、 大空間において空調が必要となる作業域だけを空調する「部分混合」によって、従来の室内全体を空調する方式と比べ、 送風エネルギーや熱エネルギーを削減する。工場や屋内展示場、倉庫、荷捌き所など、 作業場の天井が高い大空間への適用を目指し、4月から市場に投入する。
大空間で主に空調が必要なのは低層の作業域だが、従来方法の完全混合空調方式では、空調を必要としない高層の非作業域も含め室全体の温度を均一にするため、空調エネルギーが大きくなる。このため、大空間の作業域の温熱環境を損なわずに省エネルギー化する空調方式として、作業域を部分混合にし、非作業域を成り行きとして空調負荷を削減するエアロスリーを開発した。
同社は、上方の空気の誘引を抑えることで非作業域との混合を抑制し、吹出温度の上昇も抑える室内空気の誘引をコントロールする新しい吹出口を開発。水平方向の誘引も促進し、作業域を部分混合することで作業域内の温度差を小さくした。吹出口は、横吹出しタイプと前方吹出しタイプの2種類があり、それぞれ供給風量は1時間当たり1600m3と同3600m3。
吹出口は、チャンバボックスを介してダクト接続が可能なことから、新築工事、改修工事を問わずに導入できる。接続する空調機器によって用途を広げることもでき、空調機やダクト接続型パッケージエアコンによる常設での運用のほか、スポットクーラーに接続することで可搬式の吹出ユニットとして使うフレキシブルな運用も可能になる。吹出口の表面の保護カバーは、冷房用と暖房用があり、暖房用は吹出してすぐ上昇する気流を抑える仕様になっている。
交換に工具は不要で、吹出口を設置した状態で交換できる。