【消防士の空飛ぶチームメイト】NEDOとエンルートが世界初300度耐火型ドローンを開発  | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【消防士の空飛ぶチームメイト】NEDOとエンルートが世界初300度耐火型ドローンを開発 

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とエンルート(埼玉県朝霞市、瀧川正靖社長)は、火災現場に進入し、火元の上空5-10mの近距離空撮が可能な300度耐火型ドローンを世界で初めて開発したと公表した。はしご車が入ることができない狭い道路やビル、工場内の要救助者の救出ルート確認、隣接建物への延焼状況の把握、消火活動後の再燃防止、山岳地帯や水辺で「消防士の空飛ぶチームメイト」としての利活用を目指す。

耐火型ドローンの製品標準品

 エンルートは、4月から消防機関などへの製品サンプル提供とモニタリングを開始して性能評価のフィードバックを進め、10月から受注開始を予定している。
 従来の機体に耐火性がなく、火災現場でのドローン利用は現場上空50m前後からの遠距離空撮が限界だった。遠距離空撮は火煙による視認性の悪化など映像品質が十分に安定しないなどの課題があった。
 同プロジェクトでエンルートは、災害現場での迅速な救助活動や状況確認を支援する耐火型ドローンの研究開発に取り組んでいる。同社が開発した耐火型ドローンは、300度の高温環境下でも1分間の連続運用が可能。火元の上空5-10mまでの近距離空撮による、鮮明で詳細な現場確認を実現する。
 また、現場確認時には自律航行によって操縦者の負担を軽減できる。機体に搭載したカメラからの映像をリアルタイムで操縦者に伝送することで、極端な高温環境に長い時間さらされることを避けるような操縦が可能となり、機体の故障や破損を防ぐことができる。常温下では、約20分の連続運用が可能となっている。 耐火型ドローンは、人間用防火服の耐火基準が260度であることを参考値に開発。機体やプロペラ部品には、耐火性があり、加工しやすく、軽量で量産性に長けたチタンなどの素材を採用した。

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