【建設業・女性活躍】日隈 志穂子さん CIM活用事例をいろいろな場に還元していきたい! | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【建設業・女性活躍】日隈 志穂子さん CIM活用事例をいろいろな場に還元していきたい!

 立野ダムは、2015年度からCIMモデルの構築に取り組んでいる。18年8月には本体工事に着手し、これまで構築したモデルは施工者に引き継がれた。日隈志穂子さんは「うまく活用されるか精査し、(調査段階の)本明川ダムにつなげていきたい」と次のステップを見据えている。

立野ダム工事事務所調査設計課 日隈 志穂子さん

 「2次元の図面は、正確に3次元的なイメージをつかむのが難しい」と日隈さん。ダムの設計ではダムサイト周辺の地盤情報が重要であるため、ボーリング調査のデータから、建設地特有の複雑な地質構造、地下水位、グラウトの位置と深度、堤体内の計測機器の位置まで、3次元で分かりやすく表現した。
 設計中には16年熊本地震が発生し、斜面の変状や湛水予定地内への土砂の堆積が確認されたため、地震前後の地形モデルの地盤高の差分をヒートマップとして表示した地形差分モデルを構築した。
 また、ダムの施工手順について分かりやすく表現する動画『施工ステップモデル』を作成。着工前には住民説明の機会も多く、「動画を通して住民の皆さんに事業内容が理解されていくのが分かった」と手応えを持った。同モデルは、今後の工程管理や施工計画の検討への活用が期待されるとし、より詳細な堤体打設計画を反映したリフトスケジュールモデルを構築している。

施工ステップモデルのイメージ


 日隈さんが入省した16年度には事務所でのCIM構築の作業はすでに始まっていたが、業者がいるときにしかモデルを扱えない現状を改善するため、CIMの勉強をゼロから始めた。熊本大の小林一郎・空間情報デザイン研究室に1カ月程度通ったほか、通年のCIMチャンピオン養成講座で学び、モデルを構築できるまでになった。
 「計画や設計の早い段階から発注者がCIMを使って積極的に関わることができれば、事業の高度化・効率化が期待できる」と発注者CIMの意義を強調した上で、「今回の活用事例をいろいろな場に還元していきたい」と目を輝かせる。

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