【文部科学省】廃校活用へ事例集を作成 各施設の成功理由や課題を紹介 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

公式ブログ

【文部科学省】廃校活用へ事例集を作成 各施設の成功理由や課題を紹介

 文部科学省は、「廃校施設活用事例集~未来につなごう~ みんなの廃校プロジェクト」を作成した。自治体の協力を得て、廃校施設を幅広い用途に活用している全国の30事例を載せた。活用に成功した理由や活用を決めるまでの課題と苦労などの廃校活用に至る経緯、自治体や施設スタッフ、利用者の声といった廃校施設ならではのメリット、施設の基本情報などを写真を交えて紹介している。
 近年は廃校施設の広い敷地や教室の間仕切りなどを生かして、社会教育施設や福祉施設、体験交流施設などに活用するなど、地域の実情、ニーズにあわせた廃校活用が進んでいる。また、雇用の促進を見込んで企業がオフィスを置く事例も増えている。
 事例集には、社会教育施設などのほか、企業が運営する音楽技能習得施設(宮城県加美町)や医療福祉専門学校(岡山県)、大学施設(札幌市、石川県珠洲市)、ドローン操縦士養成教習所(茨城県高萩市)、住宅(高知県大豊町)、水族館(高知県室戸市)なども掲載。アイデア次第で、どのような施設にも廃校を活用できることを示している。
 文科省は、自治体が今後、廃校活用を検討する際に事例集を参考にしてもらうとともに「地域振興にも役立ててほしい」(官房文教施設企画・防災部)としている。
 廃校活用が進む一方で、2002年度以降に廃校となった7583校のうち、19.7%に当たる1295校は、将来の活用用途が決まっていない。このため、文科省は今回の事例集作成にあわせて、地域の実情に応じ、廃校施設を一層有効活用するよう自治体に対し通知した。
 文科省によると、廃校活用の用途が決まっていない学校の半数以上は、地域住民の意向を聞き取っていないという。また、7割超の学校が活用に向けた公募を実施していない。この状況を踏まえ、廃校活用検討時に、地域住民の意向を十分聞くとともに、積極的に活用事業者の公募を実施するよう要請した。
 また、作成した事例集の参照活用を促した。さらに、政府の「新・放課後子ども総合プラン」で放課後児童クラブの設置に際し学校施設の徹底活用が求められていることから、一時的に放課後児童クラブなど学校教育施設以外の用途に活用する場合は、財産処分手続きが不用などと明示した。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら