【建築士の海外展開に一役】設計事務所、工務店向け出張英会話レッスンが7月より始動! | 建設通信新聞Digital

5月4日 土曜日

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【建築士の海外展開に一役】設計事務所、工務店向け出張英会話レッスンが7月より始動!

 Yデザインインターナショナル(千葉県船橋市)代表取締役の野口由美氏と、クインシースタジオ(東京都港区)代表取締役でアメリカ建築家協会日本支部元代表の杉山久哉氏は、設計事務所と工務店をターゲットとした出張型英会話レッスンを展開する。「国内には、優秀な技術を持った建築士がたくさんいる。その方たちの海外展開のお手伝いがしたい」と語る野口氏に、事業内容や今後の展望を聞いた。

 レッスンは7月に本格始動する。現在カリキュラムの作成を進めており、講師が受講者の元を訪ねる出張型の授業形式を想定している。出張可能エリアは全国。杉山氏はアメリカの建築免許、野口氏は日本の1級建築士免許を持っているため、お互いの強みを生かしたレッスンを展開する。
 建築・インテリアデザインのグループ別に、海外進出、営業、デザイン工程からプロポーザルの書き方、契約書の注意点など、建築に特化した場面設定を豊富に盛り込む。ビジネス上の目的に合わせた授業構成を行うことで、海外展開を具体的にサポートし、外国人施主の施工物件受注を狙う工務店にも対応できるようにする方針だ。参加者が英語で発話する機会を増やすため、少人数レッスンにこだわる。

◆経験生かし“楽しく実践的に”
 本格的に英会話レッスン事業を展開するきっかけとなったのは、野口氏が所属する千葉県建築士会船橋支部で、会員の親睦も兼ねて始めた英会話レッスンだ。「事務所に外国人スタッフが入ったり、海外受注や外国人施主に対応したり、海外事業・ボランティアを考えるスタッフが増えたりと、参加理由はさまざまだが、多くの方が英会話の必要性を感じている」(野口氏)と、“楽しく、参加者の将来につながる英会話”に手応えを感じている。
 これまでレッスンを主催してきた経験から、野口氏は「専門用語は少しずつ紹介していくが、求められる英語力は、中学英語で十分。平易な言葉で言い換えたり、海外でビジネスをする際の立ち振る舞いを実際に言葉に出したり体を動かしたりしながら覚えていく」と語る。レッスンの冒頭には、受講者の自己紹介や好きなことについて語る時間を設けるなど、個人に合わせた実践的な英会話が学べる。
 野口氏は高校時代にアメリカに留学した経験を持つ。事業パートナーの杉山氏とは、留学同期だ。「現地では、ホストファミリーや先生など多くの人に本当にお世話になった。レッスンを通して、間接的にでも恩返しがしたい」と語る。
 「当時は英語に苦労したが、じきに高校の授業にも慣れ、多くの団体から日本文化紹介のスピーチ依頼を受けた。日本の文化や伝統を学びたいという人が多く、日本では当たり前と思っていたことも伝えるととても喜んでもらえた」という経験から、「素晴らしい技術を持つ建築士が、英語に不安があるというだけで海外展開を躊躇するのはもったいない。会話に詰まっても図面を見せればコミュニケーションが成立するという場面を、何度も見てきた。“アクティブイングリッシュ”を取り入れた英会話レッスンで、事業拡大の後押しができればうれしく思う」とレッスンの目標を熱く語った。

千葉県建築士会船橋支部では、一般にも 開かれたレッスンを開催している


(のぐち・ゆみ)前職の海外物件を多数扱う設計事務所勤務時に、大使館員・外国企業駐在員等が利用する集合住宅改装を担当。その際の通訳や英会話講師、英会話サロンスタッフなどを経て現職。秋田県出身。これまでのレッスンの様子や問い合わせは、Facebook(Yumi Noguchi)まで。
(すぎやま・ひさや)米国の設計事務所KPFとRTKLおよびカナダの商業ディベロッパーTrizec Hahnを経て2006年に独立。海外投資家の日本プロジェクトや日本資本、日本の建築家の海外進出プロジェクトなどにかかわる。東京都出身。

野口氏(右)と杉山氏

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