【ドキュサイン・ジャパン】印紙代不要! 建設業向け電子署名サービスを国内で本格スタート | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【ドキュサイン・ジャパン】印紙代不要! 建設業向け電子署名サービスを国内で本格スタート

 米国で電子署名サービスを展開する「ドキュサイン」の日本法人「ドキュサイン・ジャパン」が、国内の建設業向けのサービス展開を本格的に始める。経済産業省のグレーゾーン解消制度を活用して、建設工事の請負契約をクラウド上で電子化する際に使用する2つのサービスが、国土交通省の技術的基準を満たしていることが確認されたことで、「DocuSign Agreement Cloud」の提供を開始する。

ドキュサインで署名された同意書

 ドキュサインの電子署名サービスは米国の不動産業向けサービスとして開始し、他産業にも広がった。「同国の不動産市場の80-90%で使われている」(土肥渉マーケティング・ディレクター)ほか、8000社以上の建設会社でも「DocuSign Agreement Cloud」が使われているという。世界でも北米、南米、オーストラリアなど16カ所に拠点を置き、「世界で最も使われている電子署名」(同)と言われる。日本国内では2017年2月からサービス展開を始め、大手企業ではオリンパスやエイベックスなどが利用しているほか、建設業法上の下請契約でも「建材メーカーなどが既に使い始めている」(同)という。
 ただ、建設工事請負契約については、日本の建設業法第19条で建設工事請負契約締結の際、契約に関する事項が記載された書面に署名または記名押印して相互に交付することが原則とされ、同第3項で施行規則第13条の2第2項の技術的基準((1)ファイルで出力することで書面を作成できること(2)改変が行われていないか確認できること)に適合する情報通信技術を利用した方法に代えることができるとされており、契約の第3者が提供するクラウドサービスを介して署名・契約することが技術的基準に適合するかどうかは不明だった。
 そこで、グレーゾーン解消制度を活用して、「DocuSign E-Signature」「DocuSign Express」が基準に適合しているか国交省に確認した結果、基準を満たしていることが確認でき、建設工事における民民契約で同社のサービスを利用するお墨付きを得られた。
 両サービスとも、クラウドを介して電子署名を提供する方式で、サービス利用者が請負契約書をクラウド上にアップロードすると、契約相手方に通知され、契約相手方がクラウド上にアクセスして契約書に電子署名に必要な操作をすることで署名できる。
 技術的基準でも示されている改ざんの問題については、公開鍵暗号方式を採用した電子署名を付与し、契約書のデータには契約者によるものであることを示す電子的な証明書が含まれ、「誰が、いつ、どこで署名捺印したか、すべてがトラッキングされ、ログに残るので、改ざんなどの問題が起こらない」(同)。一度捺印された契約書が改変された場合、ログの記録とともに最初の捺印は消えるため、再び署名を取り直すことになる。「完全に守られたクラウドであり、万全の体制をとっている」(同)と世界的な実績を踏まえたセキュリティーの高さもアピールする。
 電子署名の最も大きなメリットは、重層構造の日本の建設業において1件の工事で必要になる多数の下請契約を印紙代が必要な紙ベースの契約書ではなく、印紙代がかからない電子契約で結ぶことができる点にある。「紙ベースによる郵送のやり取りで数週間かかっていた契約締結が、数十分から数時間で完了する。事務員による印刷、切手貼りなども省ける」(同)という生産性向上に寄与する点も重要なポイントだ。
 また、「スマートフォンやタブレットでも署名捺印できる」(同)など利便性が高く、ドキュメントもPDFやワード、エクセルなど書類形式を問わずすべてに対応する。豊富なハンコ機能もそろえており、「社判など日本企業独特の署名・ハンコも作成できる」(同)という。
 価格は、従業員200人以下の企業は年間300通で年額19万8000円から、それ以上の規模の場合は別途相談となる。契約書の発行側は有料だが、署名・捺印者は無料。サービスは同社のウェブサイトから登録できるほか、三井情報、伊藤忠テクノソリューションズ、リヴォート、NTTアドバンステクノロジを始めとした約20社の販売代理店からも購入できる。

ドキュサイン基本画面

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