1986年以降、南極地域観測隊に越冬隊・夏隊を合わせ計34回にわたり社員を派遣してきた関電工。今回、第59次越冬隊(2017年11月-19年3月)メンバーの内山宣昭さん(営業統括本部施工品質ユニット技術企画部)と第60次夏隊(18年11月-19年3月)に参加した曽宮優一さん(同)が、現地での任務を終えて無事帰国した。
ケーブルを扱う作業は、厚い手袋では難しく、凍傷を防ぐために段取りを工夫し、短時間ながらも素手で作業をすることもあったという。
観測隊は人数が限られていることから、担当の機械設営業務以外も積極的に携わった。例えば、11カ国の国際プログラムで実施している「ドロムラン」と呼ばれる航空網の維持作業がある。物資を輸送するドロムランの航空機が着陸できるよう、雪上車を使い雪面をならして長さ1㎞超、幅100m程度の滑走路をつくるため、ほかの企業の隊員と力を合わせて作業した。
南極での経験を経て、内山さんは「後輩に知識を伝承するとともに、(国内の)現場でも知識を応用したい」と今後の意気込みを語った。曽宮さんは「コミュニケーション能力が大事だった。今後は段取りよく(作業を)行いたい」と述べた。
関電工からは現在、第60次越冬隊の松嶋望さんが現地で任務に当たっている。同社には情報・システム研究機構国立極地研究所から、長年の功績をたたえる感謝状が贈られている。