【品川新駅新設工事】下部の作業を妨げずにガラス板設置が可能 「P-UP工法」のスゴさとは? | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【品川新駅新設工事】下部の作業を妨げずにガラス板設置が可能 「P-UP工法」のスゴさとは?

 大林組・鉄建建設JVが施工する「品川新駅(仮称)新設他工事」では、2020年夏季東京五輪前の暫定開業を目指して日々作業が進行している。同工事では、コンコース階中央の吹抜空間に設けるガラスの手すりを施工する際に、日綜ゴンドラの「P-UP工法」パネル揚重機システムを採用。一般的には足場を組んで作業する工程だが、同工法を導入することで施工個所の下部で並行する電車線の工事を止めることなく、最大250㎞のガラス板を効率的に施工した。

ゴンドラの使用で線路を塞がず作業可能

 同工法は、デッキ型ゴンドラと揚重機(テルハクレーン)を併用し、外装材の揚重から取り付け、仕上工事までを一貫して進めることができる。最大吊下荷は490㎞。揚重機は作業者の手元の無線操作で上下左右に操作することができる。同システムは全国で約50件の採用実績があり、新築の駅施設での採用は仙台駅に続いて2件目となる。
 高見朋宏品川新駅JV工事事務所工事長は、「適用個所の下部では、電車のレールと電車線の施工が進行している。軌道工事や電車線工事はわれわれが施工するエリアだけの工事ではないため、できるだけ切り分けた状態で工事を管理できる方が、施工者にも発注者側にもメリットがあるため、コンコース階から上だけで完結させられる工事方法を考え、P-UP工法を採用した」と説明する。作業性については「一般的な足場を使用したほうが、力を入れる作業では足下は安定する」とするものの、「コンコース階の上だけで作業を完結させなければならない今回の現場にはフィットした工法だ」と語る。
 日綜ゴンドラの比留間純社長は、「工事全体での工期短縮や作業性向上などに少しでも効果が表れてくれれば本望だ」と話した。

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