【戸田建設】鉄筋コンクリート扁平梁工法を開発 横長断面で広い梁下空間の確保が可能に | 建設通信新聞Digital

5月6日 月曜日

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【戸田建設】鉄筋コンクリート扁平梁工法を開発 横長断面で広い梁下空間の確保が可能に

 戸田建設は、高層建築物に使われる高強度の鉄筋やコンクリートを組み合わせるとともに、梁の断面を横長(扁平梁)にすることで、従来よりも床から梁下までの高さを増すことのできる鉄筋コンクリート扁平梁工法を開発した。広い梁下空間を確保することで、天井裏の設備計画や施工が容易になるとともに、建築計画の自由度が向上し、開放的な空間を実現できる。

梁下空間のイメージ比較

 同工法は、梁幅を大きくした横長の断面の梁を採用すると同時に「扁平梁に高強度鉄筋と高強度コンクリートを使用」「免震構造やほかの耐震要素(耐力壁など)と組み合わせる」「構造設計の際に、柱幅からはみ出した部分の梁を介して、柱に伝達する力を適切に評価する」といった工夫を加えることで、必要な構造性能を確保しながら、梁せいを従来に比べて約2分の1に抑えることを可能にした。
 建築計画の自由度が向上し、室内空間の有効利用や開放的な空間を実現できるほか、天井裏に敷設する設備配管のレイアウトの自由度が向上し、施工も容易になるという特長がある。
 室内空間を最大限に利用しながらも、建物高さを低減したい集合住宅や、天井に設備配管などが多く配置される医療施設などで特に効果を発揮する。今後、これら用途の物件を中心に同工法を積極的に展開し、顧客に開放的な空間を提供していく。
 同工法は、構造実験による検証結果を基に高強度扁平梁の設計法をまとめ、日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得している。
 一般に、建物を支える梁は曲げる力に対して強い縦長の断面とするため、意匠上の観点から梁を隠すためには天井を低くする必要があった。また、梁によって天井裏の設備スペースが分断されてしまうなど設計・施工上の課題もあった。
 一方で、単に梁せいを小さくすると曲げる力に抵抗する性能が低くなってしまい、梁幅を柱幅よりも広くすると、柱から梁への力の伝達が複雑になるため、必要な構造性能が得られなくなるという懸念もあった。

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