【記者座談会】日建連・各地整の意見交換会スタート/準大手ゼネコン3社の格付引き上げに | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【記者座談会】日建連・各地整の意見交換会スタート/準大手ゼネコン3社の格付引き上げに

A 日本建設業連合会と国土交通省各地方整備局などが共催する「2018年度公共工事の諸課題に関する意見交換会」が、9日の関東地区を皮切りにスタートしたね。ことしの特徴は。
B 日建連は、前年に引き続き週休2日実現のための環境整備を重点テーマに設定している。適切な工期設定と工程の共同管理、技能者の適正な労賃の確保、生産性向上などに焦点を当て、週休2日の実現と生産性向上を両輪に意見を交わしたい考えだ。

5月9日に開かれた関東地方整備局との意見交換会で、宮本副会長は週休2日の実現と生産性の向上に最優先で取り組む考えを改めて強調した


A ことしは、自由討議の時間を拡大するのも大きな特徴になっていると聞くが。
B 前回50分だった自由討議の時間を80分に拡大する。議論をより深掘りするとともに、国交省が取り組む週休2日モデル工事や工程の共同管理などの先進的な事例を会合に参加する地方自治体にも広く紹介することで、環境整備を促したいという狙いもあるようだ。
C 日建連の宮本洋一副会長・土木本部長は4月27日の定時総会・理事会後の会見で、建設業の週休2日について、「最終的に民間工事にも広げていくことが目的なので、ことしはさらに一歩踏み出すような形で意見交換ができればと思っている」と強調していたね。
D 意見交換会にはJRや電力、ガス関係者のオブザーバーにも参加を呼び掛けている。既にいくつかの会場ではJRなどが出席する意向を示している。週休2日を始めとする建設業界の働き方改革に対して、民間発注者の理解と協力を得るための効果的なアピールにも注目したい。

一層の収益基盤、企業価値向上に弾み

A ところで話は変わるけれど、格付投資情報センターが、安藤ハザマ、戸田建設、西松建設の準大手ゼネコン3社の発行体格付を「BBB+」から「A-」に引き上げたね。格付の方向性はいずれも「安定的」としている。
D 格付投資情報センターによると、安藤ハザマは「採算を重視した受注方針を継続して順守できており、基礎的な収益力が高まった」、戸田建設は「全体として基礎的な収益力が高まった」、西松建設は「施工能力に見合う工事量を計画的に受注、採算も管理する仕組みが定着、基礎的な収益力が高まった」と判断した。
A 3社の反応はどうか。
C 安藤ハザマに聞いたところ、「『A-・安定的』との評価をいただいたことについては、当社グループの主な事業である建設産業で、政府建設投資や民間建設投資が堅調に推移し、安定した事業環境が継続する中、当社が土木・建築の両分野で一定の収益基盤を備えていること、厳格なリスク管理を継続して順守できており、財務基盤を毀損(きそん)する要素が少ないことが評価されたと考えている」としながら「これからも、2021年3月期を計画最終期とする中期経営計画の着実な遂行により、さらなる企業価値の向上を目指す」としている。
B 戸田建設は「今後も、企業としての持続的な成長に努め、さらなる評価の向上につなげていく」とし、西松建設は「収益基盤の安定と良好な財務基盤が評価された。格付の引き上げは、新中期経営計画の初年度の取り組みに弾みがつくものと思う」とコメントしている。
D 発行体格付は「AAA」から「D」まで区分されており、このうち「AA」から「CCC」については、上位格に近いものをプラス、下位格付に近いものはマイナスの表示をしている。
A 今回の引き上げを契機として、各社とも一層の収益基盤、企業価値の向上につながればいいね。

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