【記者座談会】日建連と地整の意見交換会スタート/コンサル業界が事業所内保育所検討 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【記者座談会】日建連と地整の意見交換会スタート/コンサル業界が事業所内保育所検討

日本工営本社の事業所内託児所「N-Kids」、現在約30人が一時利用を希望している

A 日本建設業連合会と国土交通省各地方整備局が共催する「2017年度公共工事の諸課題に関する意見交換会」が11日の関東地区を皮切りにスタートしたね。
B 日建連からの提案テーマは、社会資本整備の進め方と担い手確保への取り組み、生産性の向上、公共建築工事にかかる課題の4つで、大枠は前年度と変わらない。これらに加え、週休2日実現のための環境整備に向けた具体的な議論が大きな目玉になりそうだ。
C 4月28日の定時総会・理事会後の会見で、日建連の宮本洋一副会長・土木本部長は、意見交換のテーマについて担い手確保と生産性向上を挙げ、建設業の働き方を改革するための週休2日確保の必要性を訴えていく考えを表明していた。週休2日については、技能労働者への適正な労賃の確保に向けた受発注者の連携や、拡大した休日分の賃金をどう補てんするかなどについて、どこまで踏み込んだ議論を展開するかが1つの焦点になりそうだ。
D ここ数年、意見交換会での議論を踏まえたさまざまな施策が実施されている。ことしのテーマの中にも既に国交省が先手を打って施策を展開している案件もある。意見交換会で受注者側の意見に真摯(しんし)に耳を傾け、なおかつスピーディーに対応してくれている姿勢を日建連幹部も高く評価する。
B 意見交換会後のフォローアップ会議の影響も大きい。受発注者一体となった課題解決への取り組みは、良い方向に循環している。建設業の健全な発展に向けて受発注者双方の協力が不可欠であることは言うまでもない。“好循環”の継続に期待したいね。

結婚・出産・育児での離職多数 コンサル業界の働き方改革

A ところで、建設コンサルタント業界で、建設技術研究所、長大、ニュージェック、復建エンジニヤリング、八千代エンジニヤリングの5社が保育所の共同設立・運用にかかわる検討結果をまとめた。
E 発起人は長大の永冶泰司社長だ。ダイバーシティー、働き方改革を進めるに当たり、女性活躍は必要不可欠だ。しかし、結婚・出産・育児の流れの中で、建設コンサル業界を離職する者も多く、女性が働ける環境づくりは喫緊の課題となっている。
F 特に東京周辺は保育所不足が深刻で、育児のために会社を辞めざるを得ないことが多々あるのが現状という。このため、昨年11月から会社所在地が近い5社による検討会を立ち上げ、実現性について共同で検討を進めてきた。
G 各社の東京事業所に勤務する職員を対象としたアンケート結果によると、事業所内保育所は、7割以上が「あればよい」と回答しており、肯定的な意見が多い。一方で、否定的な意見には、地域格差、子どもの有無、世代による格差などが挙がっている。
E 設置された場合、利用するかどうかは、3割が「利用したい」、2割が「利用したくない」、5割が「検討したい・まだ答えられない」と意見が分かれている。検討会は企業主導保育所の具体的なイメージができると検討しやすいのではとみている。
F 保育内容の決定に当たっては、先行事例である日本工営本社の事業所内託児所「N-Kids」などにもヒアリングを行い、課題などを把握しておくことが望ましいとも指摘している。
A N-Kidsの現在の利用状況はどうなの。
F 一時利用を希望する登録者が30人ほどいるようだ。
A いずれにせよ、建設コンサル業界の働き方改革は待ったなし。こうした取り組みは、今年度の建設コンサルタンツ協会と各地方整備局の意見交換会でも話題の1つに上りそうだね。

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