【記者座談会】日建連・整備局意見交換会/建設各社が中期経営計画 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【記者座談会】日建連・整備局意見交換会/建設各社が中期経営計画

A 日本建設業連合会と国土交通省各地方整備局などとの令和最初の意見交換会がスタートした。16日時点で3地区を終了したけど、ことしの雰囲気はどうだろう。
B 日建連側の提案テーマは大きく、働き方改革・担い手確保への取り組み、建設産業の生産性向上、品確法(公共工事品質確保促進法)の適切な運用などの3つ。3地区を取材したけど、例年にも増して官民一体となった取り組みへの熱意が受発注者から伝わってきた。
C ことしも、週休2日の実現や生産性向上などの議論をより深掘りするため、前年に続いて120分の意見交換会のうち80分を自由討議に充てている。奇をてらわずに、改革の基礎を固めるために重点テーマを絞って、腰を据えて着実に前進させるということだろう。
D 初弾の関東地区で石原康弘関東整備局長は、日建連が2018年9月に打ち出した「労務費見積り尊重宣言」に対し「発注者として協力していきたい」との考えを示した。同宣言の実施要領に基づいた取り組みに対するインセンティブとして、工事成績評定の加点を一例に挙げ、前向きに検討する姿勢を見せていた。
B 関西地区では、黒川純一良近畿整備局長が働き方改革や生産性向上を後押しする施策展開について「ほかの整備局ができて近畿でできないことはない。『良いとこどり』をしていきたい」と、協力姿勢を打ち出していた。
C ここ数年、政府主導の働き方改革により、受発注者の一体感が一段と高まっている。とはいえ、各発注機関の取り組み状況にはいまだに濃淡がある。「良いとこどり」による好循環の構築に期待したいね。

初弾の関東地区では、日建連側の要望に対して整備局が前向きな対応を積極的に検討する方針を示した(9日、さいたま市のさいたま新都心合同庁舎2号館)

清水建設 非建設業、海外にシフト鮮明

A 話は変わるけど、10連休が明けて企業の決算発表がピークを迎え、同時に中期経営計画を発表する企業が目立ったね。
E 建設会社では、清水建設、青木あすなろ建設、大建工業、ライト工業、ピーエス三菱、前田建設、高松コンストラクショングループ、飛島建設などが発表した。
A このうち最大手である清水建設はどんな内容だったのか。
F 清水建設は、30年を見据えた同社グループの長期ビジョンと、ビジョンの実現に向けた当面5年間の基本方針、重点戦略、財務・非財務重要評価指標を掲げた中期経営計画を同時に発表した。長期ビジョンの収益構造は、30年度に連結経常利益2000億円以上を目指し、連結売上利益の構成は、事業別で建設が65%、非建設が35%、地域別で国内が75%、海外が25%を想定している。18年度の連結売上利益の構成は事業別で建設が90%、非建設が10%、地域別で国内が95%、海外が5%だったのに比べると、非建設事業と海外へのシフトが鮮明になっているね。
E 発表に合わせて会見した井上和幸社長は、将来的に建設投資のパイが縮小し「大きな成長が望めない世の中になってくる」と見据えた上で「もっと大きく成長していくためには、非建設部門のウェートを必然的に大きくして、そこで利益を出せる体制にしていかなければならない」と話した。非建設事業で伸ばしていく分野としては「不動産開発事業が主体になってくる」としながら「別の意味で一番期待しているのはLCV(ライフサイクル・バリエーション)事業だ」と言及した。
G 中計では、5年間で7500億円の投資を実施するが、不動産開発事業が5000億円と大半を占めていることからも、期待値の大きさを物語っている。これからの動向を注視していきたい。

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