【記者座談会】10月3日から全建地域懇談会・ブロック会議スタート/各社が防災訓練 | 建設通信新聞Digital

5月13日 月曜日

公式ブログ

【記者座談会】10月3日から全建地域懇談会・ブロック会議スタート/各社が防災訓練

A ことしも10月3日の関東甲信越地区を皮切りに、全国建設業協会と国土交通省各地方整備局などとの地域懇談会・ブロック会議がスタートする。今回は「経営の安定化」「災害対応」「働き方改革、生産性向上による担い手確保」がテーマになっているね。
B 事業量の安定化と地域間格差の是正のほか、品確法(公共工事品質確保促進法)運用指針の市町村への浸透、応急復旧に伴う事故補償、週休2日にかかる補正係数の引き上げ、ICT施工の費用負担、施工の平準化・適切な工期設定に向けた繰り越しの原則活用などについて意見を交わし、地域建設業が直面する課題を深掘りする。
C 特に焦点となるのが、建設キャリアアップシステムだろう。近藤晴貞会長も会員企業のシステム登録に対する機運と理解が十分ではないことを認めている。その上で技能者、事業者双方のメリットを明確化し、地域建設業に合った進め方を模索していく考えだ。
D いくつかの自治体では、システム登録事業者へのインセンティブの付与を検討したり、実施している。登録促進の観点では一定の効果が見込まれるものの、受注者側が最も望むのは実効性を持った運用だ。
B 地域建設業のほとんどはシステムへの登録を避けて通れないと認識している。国交省側のテーマにもシステムの適正運用が盛り込まれている。受注者が抱える懸念事項を発注者と共有することは登録の加速化につながっていくだろう。
C 除雪の今後のあり方も含め、少しでも具体的な成果が表れるような議論が期待されるね。

18日に都内で開かれた全建協議員会では、地域懇談会の提案議題や日程を確認した

危機的事態を想定し、より実践的に

A ところで話は変わるけど、毎年この時期になると防災訓練を行ったゼネコンや設備会社、建設コンサルタントなどが多かった。
E 大地震などの発生を想定し、本社や各支店、関連会社などが参加し、役職員とその家族、関係会社従業員の安否確認や初動対応などを確認していた。
A 具体的にどのような訓練が行われたのだろう。
E 首都直下地震の発生により、東京の本社機能がまひしたと想定して行った訓練が多かったようだ。
F ある企業は、首都直下地震により、首都圏が甚大な被害を受けたことで、東京の本社に災害対策本部を設置できない場合を想定して訓練した。被害のない大阪の事業所に暫定本部を設置し、暫定本部で一元的に管理された情報を本社に引き継ぐ手順などを確認した。
G 別の企業も、対策本部である東京都渋谷区の本社から離れた場所に住む災害対策本部長の社長を始めとした経営幹部がすぐには参集できないという設定のもと、渋谷から10㎞圏内に居住する従業員のうち、非常事態体制要因とされた約30人が災害対策本部の設置や情報収集などに当たり、その後幹部が参集するシナリオとすることで、現実感を高めた訓練を実施した。
E 各企業とも危機的な事態を想定し、より実践的な訓練を行っていたことが特徴だろう。
F 災害時の初動対応で建設業の果たす役割は大きい。ある大手ゼネコンのトップは、訓練終了後の講評で「われわれ建設業が災害時に社会に果たす役割は、近年ますます大きくなってきており、重要な社会的使命を負っている」と力を込めた。近年、頻発化、激甚化する災害発生時にも迅速に対応できるよう、これからも継続・充実した訓練の実施を期待したい。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら