【記者座談会】全建地域懇談会・ブロック会議スタート/宇部興産と三菱マテリアルのセメント事業統合 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【記者座談会】全建地域懇談会・ブロック会議スタート/宇部興産と三菱マテリアルのセメント事業統合

A 6日の関東甲信越地区を皮切りに、全国建設業協会と国土交通省各地方整備局などとの地域懇談会・ブロック会議がスタートした。今回は「国土強靱化・経済対策・地方創生」「経営の安定化」「働き方改革」「生産性向上」がテーマとなっているね。
B 2020年度で終了する「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を継承する中長期の視点に立った国土づくりのあり方は1つの焦点になる。
C 多発・激甚化する自然災害を踏まえると、防災・減災、国土強靱化の歩みを緩めることはできない。また、コロナ禍の影響で民間投資が冷え込む国内経済の浮揚、地方の景気対策、地方分散型社会の形成の観点からも公共事業の必要性は高まっている。
B 全建の奥村太加典会長は「地域の守り手としての使命に加え、ポストコロナの新たな時代において、新しい地域のつくり手としても中心的な役割を務めなければならない」との考えを示している。地域建設業も社会変革に合わせた対応が求められるだろう。
A 料金引き上げが決定し、開発費用の追加負担の方向性がみえつつある建設キャリアアップシステムには否が応でも水が向けられるね。
C システム普及に関して、各建設業協会で考え方や取り組み姿勢が異なる中、降って沸いたような財源問題に対して言いたいことも少なくないと思う。ただ、関東甲信越地区の会合では責任を追及する向きよりも、メリットをより明確にするといった前向きな提案が多かったと聞いている。
B 他の地域でもさまざまな指摘が出ると思うが、システムの運営側と利用者側が本音で意見を交わすことで、制度インフラとしての定着が期待される。

関東甲信越地区を皮切りに始まった全建地域懇談会・ブロック会議

◆シナジー効果を最大限に発揮

A 話は変わるけど、宇部興産と三菱マテリアルが9月29日、22年4月をめどに両社のセメント事業と、その関連事業を統合することで最終契約書を交わしたが。
D 折半出資で21年4月に新会社を設立し、それぞれの事業を新会社に承継させる。新会社を存続会社、宇部三菱セメントを消滅会社とする吸収合併の方法で実施する。
A 統合の理由は。
E 国内セメント需要は1990年度をピークに減少に転じている。現在の国内セメント事業を取り巻く状況は、さらなる需要の減少やエネルギー価格の著しい変動など、以前にも増して厳しいものとなっている。このため、両社のセメント事業の将来的な成長のためには、関係をより発展させ、新たな体制の構築が最善の策であるとの共通認識に至った。
D 統合により、国内事業では生産体制の最適化や川下領域の生コンクリート事業を含めた販売・物流体制の再構築など、バリューチェーン全体で事業を効率化するための施策を推進し、シナジー効果を最大限に発揮することでより強化する方針だ。
E 同日、記者会見した宇部興産の泉原雅人社長は「両社が持つ環境対応技術を結集して、温暖化ガス削減にも一層取り組むとともに、両社が行う廃棄物処理についてもさらに強化し、循環型社会に大きく貢献していく」と述べた。
F 三菱マテリアルの小野直樹社長は「セメント産業はCO2を排出しており、それに対する対応は当然求められてくる。それぞれの会社が努力するのは当然だが、一定程度いろいろな知見を持ち寄って対応していく必要性も感じている」と話した。
A これからの状況を注視していきたいね。

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