【日立製作所・日立ビルシステム】VR活用教育システムを導入 グローバル規模で教育の高度化目指す | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【日立製作所・日立ビルシステム】VR活用教育システムを導入 グローバル規模で教育の高度化目指す

 日立製作所と日立ビルシステムは、昇降機の保全を担う社内エンジニア向けに、VR(仮想現実)技術を活用した体感型の教育システムを開発した。デジタル技術の活用によって、昇降機の保全サービスの高度化と、その裏付けとなる優れたエンジニアの育成を進めることが狙い。年明けからトライアルを実施、4月から国内で本格導入に踏み切った。

VR教育システムのデモンストレーション

 同社は、昇降機やビル設備の施工・保全に携わる技術者の教育拠点として、国内の亀有総合センターや、中国に4カ所あるトレーニングセンター、2017年にタイに開設したアジアトレーニングセンターを持つ。
 各センターでの教育・研修は、国内の遠隔地から教育拠点に集合する非効率性も存在していることから、教育メニューの高度化としてVRの活用に着目。実際に体験できない転落などの労働災害を体感できるVR教育システムの導入が有効になると判断した。
 新たに開発した国内向けの教育システムは、昇降路内への転落といった労働災害を擬似的に体感できるコンテンツや、エレベーターの保全作業における基本動作である「かご上への乗降方法」、最重要作業の1つである「ブレーキ分解整備」の作業手順を実機がない環境でも効果的に学習できる点が特徴となる。
 亀有総合センターなど国内での積極的な運用で社内エンジニアの効率的かつ効果的な育成を進める。エスカレーターなど新たなコンテンツの拡充や多言語化によるアジアトレーニングセンターへの展開も見込む。
 「実機を用いた研修や人材育成を重視する姿勢に変わりはない」(宝珠山泰博日立製作所ビルシステムビジネスユニット人財開発センター長)とする一方で、グローバルでのエンジニア教育の高度化・効率化を支えるツールの1つとして、VR技術をより積極的に活用していく方針を示す。

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