【がんばろう!東北】「東北の社会資本整備を考える会」がフォーラムを開催 復興をより一層加速 | 建設通信新聞Digital

4月16日 火曜日

公式ブログ

【がんばろう!東北】「東北の社会資本整備を考える会」がフォーラムを開催 復興をより一層加速

 東北経済連合会(海輪誠会長)や東北建設業協会連合会(千葉嘉春会長)など東北・北海道地区の経済、建設関係5団体で組織する「東北の社会資本整備を考える会」は3日、仙台市の江陽グランドホテルでフォーラム「がんばろう!東北」を開いた。関係者一丸となって、復興をより一層加速させていくことを確認した。復興事業や普通建設事業、国土強靱化に対する予算措置、必要な社会資本の整備と戦略的な維持・管理・更新、東北全体の経済活動の活性化などを目的とする、7つの要望事項も決議・採択した。
 冒頭、主催者を代表してあいさつした海輪会長は「復興計画・事業の確実な遂行と継続的な復興財源の確保、東北の持続的な発展に向けた社会資本整備の促進、十分な整備財源の必要性について共有していきたい」と述べた。
 来賓として、高田昌行国土交通省東北地方整備局長は「(建設業は)生産性向上、働き方改革による担い手の確保・育成が求められる中、東北の関係者が一体となって取り組みを進めていくことが必要だ」と祝辞を寄せた。
 同じく、宮城県の佐藤達也土木部次長は「東北地方が将来にわたって豊かで持続可能な県土づくりを実現するには、高規格道路や港湾、空港などの整備、総合的な治水対策、土砂災害対策とともに、既存ストックの有効活用、戦略的な メンテナンスなどへの計画的な投資が極めて重要」と知事あいさつを代読した。
 続いて、南田温泉ホテルアップルランド女将の葛西恵子さん、祭畤温泉かみくら女将の佐藤奈保美さんが意見発表し、青森大学の見城美枝子副学長が「思い立ったが吉日」と題し基調講演した。
 採択した要望は次のとおり。
 ▽被災地の復興に向けて、復興の確実な遂行のため、十分かつ確実な予算措置を講じること。また、復興予算を除いて激減している東北全体の社会資本整備予算を戻すこと▽東日本大震災の教訓が風化しないよう産学官が連携して、伝承の取り組みを進めるとともに、今後も社会資本整備の役割について理解促進を図ること▽昨今の気象災害の激甚化などを踏まえ、防災・減災対策、国土強靱化対策の3カ年緊急対策の予算を確保すること。また、2021年度以降も国土強靱化を推進するための制度を整えるなどにより、別枠で財源を確保すること▽生活やあらゆる社会経済活動を支える社会資本の老朽化が進む中で、人命と財産を守る観点から、社会資本の戦略的な維持・管理・更新などを推進すること▽「東北は一つ」の理念のもと、地域間格差を是正し、東北全体の経済活動が活発になるよう、高規格幹線道路など必要な社会資本の整備や日本海・太平洋2面活用の強化など、ストック効果が最大限発揮される取り組みを推進すること▽社会資本の整備・管理に加え、災害発生時の迅速かつ円滑な対応などのため、現場に必要な人員や体制の維持・充実を図ること▽人口減少下であっても持続的で力強い経済成長を促すため、働き方改革の推進などにより、生産性を向上させるための支援策を講じること。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら