【東急建設】グリーンインフラ施設でデータ計測 雨水活用のビオトープでホタルの生息を確認 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【東急建設】グリーンインフラ施設でデータ計測 雨水活用のビオトープでホタルの生息を確認

 東急建設は、神奈川県相模原市の技術研究所内に「年柄集中豪雨対策」と「環境保全技術開発」を目的に設置したグリーンインフラ実証施設で約1年間のデータ計測を実施した。自然環境が持つ多様な機能と雨水を活用したビオトープでのホタルの生息を確認したほか、集中豪雨時にはグリーンインフラ施設が雨水の浸透を促進させるとともに雨水を貯留して流出を抑制する効果があることも確認した。

グリーンインフラ実証施設

 同施設は2018年3月に設置した。面積は約120㎡で、雨水貯留槽、雨水貯留水循環型ビオトープ、雨水浸透促進設備などで構成されており、雨水の貯留量と施設で消費する水収支や生物生息空間としての基礎実験データなどを収集し、グリーンインフラ施設としての効果を検証している。
 ビオトープでは雨水を自然に返す雨水の浸透促進と暑熱緩和対策としての有効性を確認しており、四季を通じてさまざまな昆虫類や鳥類が生息・育成できる場となり周辺の緑地との中継地としてエコロジカルネットワークを形成、生物多様性の保全にも役立っている。3月から5月にかけてヘイケボタルの幼虫約80匹を放流した結果、6月には成虫を確認し、ホタル生息環境の創出にも成功した。
 グリーンインフラ施設は、地域住民との協働や民間企業との連携により多様な主体が維持管理活動に関与できることから、新たなコミュニティーが形成される起点となることが期待されている。同社は収集したデータをもとにグリーンインフラの要素技術の高度化と段階的な改良を進め、都市部におけるグリーンインフラ施設の設置提案や(仮)上郷開発計画などの環境保全への活用を進めていくことを予定している。

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