【CO2排出ゼロ】水素燃料電池の可搬発電機/東急建設 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【CO2排出ゼロ】水素燃料電池の可搬発電機/東急建設




 東急建設は、建設現場の脱炭素実現に向けて、可搬形発電装置を水素を使った燃料電池(FC)式とすることで、発電時のCO2排出量がゼロとなることを実証した。この取り組みは、デンヨーが2021年4月に開始した「可搬形発電機の燃料電池化の実証」に同社が参画して実現した。

 実証実験は、ことし10月に「R2国道246号池尻地区共同溝補強工事」で、「燃料電池式可搬形発電装置が、現場でエンジン発電機と同様に使用できるか」の評価を目的に、発電能力(消費電力に対する出力電圧の安定性)、発電装置の取り扱い(運搬、設置、操作)、運転中の発電装置の評価(騒音、排熱、振動)、高圧水素ガスの取り扱い(運搬、火気離隔距離の確保)をポイントに実施した。

 その結果、鉄筋切断機や送風機などの負荷機器使用時に、電源品質の安定性を確認し、負荷機器の使用に問題がないことが分かった。搬入・荷卸し時の空頭制限高が6m未満と厳しい制約がある中、3tクレーン付き4t車を使い、水素ボンベ単体をバラして持ち込むことで、円滑、安全に作業でき、現場内での操作も安全に問題なく行うことができた。音は静かで、排熱・振動の問題もなく稼働することを確認。さらに、高圧水素ガスの取り扱いも問題なく行うことができ、火気隔離距離の確保も十分な距離を置くことができた。

 デンヨーは、「実際の建設現場で実証実験を行えたことは、非常に意義のあること」と評価している。

 実証実験の結果を受け、東急建設は、水素社会の実現に貢献するため、建設現場への「燃料電池式可搬形発電装置」採用の実現化を目指す。同社は3つの提供価値として「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」を掲げ、昨年9月には、国内現場での軽油からGTL燃料への切り替え、10月には、先送りモルタルの代替材を開発、初適用するなどの脱炭素施策も実施している。


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