国土交通省は、地方公共団体の下水道施設を対象に、維持管理情報を起点としたマネジメントサイクルの確立を目指している。管路から検討に着手、マネジメントサイクルの確立に必要な事項を示す管路編のガイドラインを年度内に策定する。点検結果などを蓄積するデータベースを中心としたマネジメントサイクルとし、2020年度予算の概算要求でデータベースのシステム整備を支援する事業の創設を盛り込んだ。
「下水道管路施設における維持管理情報等を起点としたマネジメントサイクルの確立に向けた技術検討会」を7月に設置した。維持管理情報の活用法やデータベースの機能・運用方法を検討するほか、ICTを活用した点検・調査技術の体系整理、施設の重要度を踏まえた効率的な点検・調査方法の構築を進め、管路編のガイドラインとして取りまとめる。
国交省によると、管路施設の台帳をデータベース化できていない地方自治体は、政令指定都市が10%に対し、1万人未満の都市は40%。人口規模が小さくなるほど電子化されていない傾向にあり、紙ベースで保存されている。
そのため、国交省は「下水道施設情報システム緊急整備事業」を20年度に創設し、マネジメントサイクルの中心となるデータベースのシステム整備に要する費用を社会資本整備総合交付金の充当対象とする考え。関連予算を20年度予算の概算要求に盛り込んだ。
下水道施設には処理場とポンプ場もある。国交省は管路編を策定後、処理場とポンプ場のガイドラインを引き続き検討する方針だ。