リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少などをめぐり、静岡工区の本格着工を認めていない静岡県の川勝平太知事は5日、名古屋市の愛知県公館を訪れ、愛知県の大村秀章知事と会談した。大村知事は2027年の東京~名古屋間開業が遅れないよう早期着手を求めたが、川勝知事は水の問題が解決するまでは着工を了承しない考えを示し、議論は平行線に終わった。しかし、問題解決には国の関与が必要との認識は一致した。
一方、川勝知事は、大井川の流量減少と南アルプスの環境保全の問題が解決しない限り着工を容認しないことを改めて示した。その上で「大井川の水問題は県民の命に関わる問題であり、不測の事態」と強調。大村知事には同盟会会長として、リニア建設と水問題の両立を図るため「河川を所管する国交省などに働きかけてほしい」と要望した。