【リニア中央新幹線】南アルプストンネル 静岡工区本格着工めぐり愛知・静岡両県知事が会談 | 建設通信新聞Digital

4月19日 金曜日

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【リニア中央新幹線】南アルプストンネル 静岡工区本格着工めぐり愛知・静岡両県知事が会談

 リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事に伴う大井川の流量減少などをめぐり、静岡工区の本格着工を認めていない静岡県の川勝平太知事は5日、名古屋市の愛知県公館を訪れ、愛知県の大村秀章知事と会談した。大村知事は2027年の東京~名古屋間開業が遅れないよう早期着手を求めたが、川勝知事は水の問題が解決するまでは着工を了承しない考えを示し、議論は平行線に終わった。しかし、問題解決には国の関与が必要との認識は一致した。

大村知事(右)と川勝知事

 会談後、取材に応じた大村知事は、沿線9都府県で構成するリニア建設促進期成同盟会の会長として、27年開業に向け未着工区間を国、JR東海と関係者で調整し早期着手するとの同盟会決議をもとに、川勝知事に早期着工を認める要請をしたと説明。また「大井川水系全体の補償を事業者(JR東海)だけに負わせるのは無理がある」とし、問題解決には国土交通省や農林水産省など国の関与が必要と指摘した。
 一方、川勝知事は、大井川の流量減少と南アルプスの環境保全の問題が解決しない限り着工を容認しないことを改めて示した。その上で「大井川の水問題は県民の命に関わる問題であり、不測の事態」と強調。大村知事には同盟会会長として、リニア建設と水問題の両立を図るため「河川を所管する国交省などに働きかけてほしい」と要望した。

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