直径約50m、深さ約80mの非常口と、直径約30m、深さ約75mの資材搬入口を構築する同工事(施工=西松建設・五洋建設・青木あすなろ建設JV)は、2020年7月31日までの約3年間に約29万m3の発生土が見込まれている。さらに、大深度地下トンネルを構築するシールド機の発進立坑として活用するため、将来、品川方面と名古屋方面の双方に掘り進むシールド工事を始め、保守用車留置施設整備を合わせた総発生土量は約250万m3になる。
JR東海中央新幹線推進本部中央新幹線建設部土木工事部の永長降昭担当部長は「今工事の発生土は、できる限り鉄道貨物を活用して運搬する」と説明。「当面はダンプ27台分に相当する1日1往復でスタートする」考えを示し、今後は「発生土量などに応じて運搬量を増加させるため、関係各署と調整していく」としている。また、鉄道貨物の活用で大気質、安全(交通)などへの影響を低減するほか、「鉄道貨物はダンプと比べ、二酸化炭素の排出量が約10分の1になる」とし、ふた付きコンテナの使用で発生土が飛散することはないという。
発生土は、隣接する梶ヶ谷貨物ターミナル駅から武蔵野南線、尻手短絡線、南武支線、鶴見線を利用して約15㎞先の臨海部の三井埠頭まで運ぶ。その後、東京湾を海上運搬して千葉県内部の旧採石場の埋め立てに活用する。